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JRA初年度産駒ジオグリフの皐月賞(G1)制覇だけじゃない。新種牡馬ドレフォンと「サンデーサイレンス」の意外な共通点とは

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ジオグリフ

 17日、中山競馬場で行われた牡馬クラシック第1戦・皐月賞(G1)は5番人気のジオグリフが勝利。ジオグリフの父、ドレフォンにとっても嬉しい初年度産駒でのG1初制覇となった。

 6月の産駒デビュー以来順調に勝利を積み重ね、2021年の2歳リーディングでは新種牡馬としては最高の5位に食い込んだドレフォン。翌年にクラシックホースまで輩出する活躍ぶりには、かつて日本競馬に革命を起こした大種牡馬・サンデーサイレンスを彷彿とさせる勢いがある。

 実はドレフォンとサンデーサイレンスには、偶然とは言い難い複数の共通点が存在する。

 

伝説の大種牡馬サンデーサイレンス

 

 まず、日本に輸入された経緯が酷似している。サンデーサイレンスは米国クラシック2冠、ブリーダーズCクラシック(G1)を含むG1・6勝の成績を残したが、血統的な評価が低く現地ではほぼ種牡馬としての需要が無かった。そこに社台グループの祖である吉田善哉氏が目をつけ、約16億5000万円で買い付けて日本に持ち込んだ。

 ドレフォンは現役時代、米国でブリーダーズCスプリント(G1)を含むG1・3勝の成績を残したが、父のジオポンティの産駒に活躍馬が少ないことから、現地では種牡馬としての需要が低かった。そこを、当馬のスピード能力の高さに目をつけた社台グループが買い取り、日本で繋養されることとなった。「米国での血統的価値が低かった」ことと、「社台グループが買い付けた」点で2頭は共通している。

 また、初年度産駒の活躍ぶりも類似している。サンデーサイレンスは初年度産駒のプライムステージが札幌3歳S(G3)で産駒重賞初勝利。一方でドレフォンも同じく札幌2歳S(G3)でジオグリフが産駒重賞初制覇を遂げている。

 サンデーサイレンスの初年度産駒は、フジキセキが朝日杯3歳S(G1)を制するなど、3歳(現2歳)時から活躍を見せていたが、一方で早熟説も囁かれていた。

 しかし、春を迎えるとジェニュインが皐月賞を制して産駒初のクラシック制覇。更にダンスパートナーがオークス(G1)を、タヤスツヨシが日本ダービー(G1)を制し、当年のクラシックで5戦3勝の成績を残した。

 ドレフォン産駒もデビュー当初から活躍をみせるも、「洋芝でしか走らない」「米国由来の早熟傾向」といった疑念の声が上がっていた。

 しかし、年が明けてからも産駒の成績は良好。1月から先週末までで産駒は27勝、牝馬の単勝回収率に至っては113%という数字を残している。初年度産駒が皐月賞を制した点も、サンデーサイレンスと同様である。

 ディープインパクト、キングカメハメハの2大巨頭が相次いで姿を消した昨今、日本の種牡馬の勢力図は混沌としている。

 キズナ、エピファネイアやロードカナロアといった新世代の種牡馬たちが台頭し、覇権争いを繰り広げているが「群雄割拠」の状態が続いている。ならば、かつてのサンデーサイレンスのように、米国から来訪したドレフォンが現状に風穴を開け、日本競馬界の血統図を塗り替える日が来るかもしれない。

 輸入された経緯や初年度産駒の活躍など、類似した点が複数あるサンデーサイレンスとドレフォン。サンデーサイレンスの産駒は初年度以降も活躍し、13年連続でリーディングサイヤーを獲得。スペシャルウィーク、ディープインパクトなど、数々の歴史的名馬を輩出した。

 果たしてドレフォンは、サンデーサイレンスのような、日本競馬界を席巻する「超大物」種牡馬となれるのか。産駒の今後の活躍に注目したい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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