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JRA【天皇賞・春(G1)展望】コントレイルの「引き立て役」から主役の座へ! 昨年2着ディープボンドに「逃げたら怖い」タイトルホルダーが挑む

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 5月1日には、第165回天皇賞・春(G1)が行われる。昨年に続き今年も阪神競馬場が舞台。ゴール前の急坂を2度越えるタフなコースで新たな長距離王に君臨するのは果たしてどの馬になるのか。早速展望していこう。

 1番人気が濃厚なのは、おそらく昨年の2着馬ディープボンド(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)だろう。

 3歳時は同馬主のコントレイルの引き立て役に甘んじていたが、古馬になってから長距離路線で開眼。前哨戦の阪神大賞典(G2)を圧勝して挑んだ昨年の天皇賞・春は、アリストテレス、ワールドプレミアらを抑え、1番人気で大一番を迎えた。

 各騎手が“消耗戦”と評した一戦は、最後の直線で上位人気4頭による争い。最後はディープボンドとワールドプレミアの競り合いとなったが、外からワールドプレミアが交わし、ディープボンドは惜しくも戴冠を逃した。

 秋には、フランスへと遠征し、フォワ賞(G2)を逃げ切り勝ち。凱旋門賞(G1)でも好走が期待されたが、重すぎる馬場に苦戦を強いられた結果、最下位14着に惨敗した。

 それでもこの海外経験を糧に、帰国初戦の有馬記念(G1)でエフフォーリアの2着に入ると、今年の始動戦、阪神大賞典で単勝1.2倍の人気に応え、2連覇を達成。1年前と同じローテーションで悲願のG1制覇に王手をかけた。

 鞍上を務めるのは国内14戦のうち13戦でパートナーを組む和田竜二騎手。3000m以上の長距離戦では現役3位タイの通算10勝を挙げている腕利きが、テイエムオペラオーで連覇した2000-01年以来となる3度目の春の盾獲りに挑む。

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タイトルホルダー 撮影:Ruriko.I

 そのディープボンドに次ぐ人気に推されそうなのが昨年の菊花賞(G1)を制したタイトルホルダー(牡4歳、美浦・栗田徹厩舎)である。

 両者の直接対決は昨年暮れの有馬記念以来、2度目。そのときは2着ディープボンドから0秒4差の5着に敗れた。

 今年は右後肢を痛め、春のローテーションが一旦白紙になるアクシデントもあったが、予想を上回るスピードで回復。3月の日経賞(G2)で始動すると、他馬の厳しいマークをはねのけ堂々の逃げ切り勝ち。理想の形でG1・2勝目を狙う。

 タイトルホルダーの武器は何といっても逃げたときの粘り強さだろう。控える競馬も可能だが、本領を発揮するのは、やはりハナを切ったときだ。

 デビューからの10戦すべてで最初のコーナーを1番手もしくは2番手で通過しているが、先頭で通過したレースは5戦して「4-1-0-0」、2番手の時の「0-1-0-4」とは大きな差がある。

 初角を1番手で通過し、唯一敗れたのが2歳秋の東京スポーツ杯2歳S(当時G3)。このときは、向正面で他馬にハナを奪われていた。つまり初角と4角をともに先頭で通過したレースでは4戦4勝の成績を残している。

 今回は他のメンバーを見渡しても、これといった逃げ馬はいない。「逃げてこそ」のタイトルホルダーにとっては絶好のチャンスといえるだろう。

 最大のライバルになるディープボンドは、勝負どころで早めにつかまえに来ることが予想される。タイトルホルダーはそれを見据えて、早めにスパートをかけるのか、それとも追い出しを待ってスタミナを温存するのか。鞍上の腕が問われることになりそうだ。

 2走前の有馬記念からコンビを組むのは横山和生騎手。これまで3000m以上の長距離レースには通算7回騎乗しているが、すべて掲示板を外している。人気薄の馬がほとんどだったが、百戦錬磨の和田竜騎手に比べると、経験の浅さもやや気掛かりといえるだろう。

 実績的にディープボンドとタイトルホルダーの2頭がやや抜けている今年の天皇賞・春。3番手に名前が挙がるのはテーオーロイヤル(牡4歳、栗東・岡田稲男厩舎)か。

 3歳4月に未勝利戦を勝ち、続く青葉賞(G2)は、勝ち馬と0秒1差の4着に好走。夏を充電期間に充てると、1勝クラスから怒涛の4連勝を飾って、G1舞台にやってきた。

 前走のダイヤモンドS(G3)は、逃げ馬からやや離れた4番手を追走。勝負どころで徐々に押し上げていき、4コーナーでは逃げ馬を射程圏にとらえた。直線半ばで楽々と先頭に躍り出ると、後続の追撃を寄せ付けず。ゴール前では鞍上が流す余裕を見せたほどだった。

 鞍上を務めるのは天皇賞・春は初騎乗となる菱田裕二騎手。3000m以上のレースは過去に4回しか騎乗はないが、ダイヤモンドS勝ちに加え、15年阪神大賞典はラストインパクトで3着、14年菊花賞はタガノグランパで4着と上々の成績を残している。

 テーオーロイヤルの自在性をうまく引き出せば、“2強”をまとめて負かす可能性も十分あるだろう。先行策を取るのか、後方に控えるのか、その戦法にも注目が集まる。

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マカオンドール

 昨年10月の兵庫特別(2勝クラス)で、テーオーロイヤルの2着に入ったマカオンドール(牡4歳、栗東・今野貞一厩舎)にもチャンスがある。

 堅実な末脚が武器のゴールドシップ産駒は、2走前に格上挑戦で臨んだ万葉S(OP)を勝利。阪神大賞典ではディープボンドに次ぐ2番人気に推されたが、0秒4差の4着に敗れた。

 それでも前走はメンバー2位の上がり時計をマークしているように、鞍上がうまく末脚を温存できれば、最後の直線で有力馬をまとめて飲み込んでもおかしくない。

 鞍上を務めるのは、ケガから復帰したばかりの松山弘平騎手。3000m以上の長距離レースは通算15回騎乗して1勝している。唯一の勝利がこのコンビで臨んだ1月の万葉Sだった。天皇賞・春はヤマカツライデンで2度挑戦したが、いずれも2桁着順に沈んだ。自ら快気祝いの勝利を挙げられるか。

 10年前に1番人気を裏切り、11着に敗れたオルフェーヴル。今年その産駒は4頭が登録している。いずれもスタミナが自慢で、侮れない存在だ。

 アイアンバローズ(牡5歳、栗東・上村洋行厩舎)は、前走・阪神大賞典でディープボンドを最後まで苦しめる2着に好走。2走前のステイヤーズS(G2)でも逃げて2着と、長距離で安定した走りを見せている。鞍上は、10年前に14番人気ビートブラックでアッと言わせた石橋脩騎手だ。

 シルヴァーソニック(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、近3走を含めて3000m以上のレースでは4戦すべて3着という堅実派。オルフェーヴルを管理した池江調教師は、10年前の忘れ物をその産駒で取り返したい。

 タガノディアマンテ(牡6歳、栗東・鮫島一歩厩舎)は、20年万葉Sの勝ち馬で、ステイヤーズSでも2着の好走歴がある。鞍上は前走・京都記念(G2)で初コンビを組み2着に導いた幸英明騎手が務める。

 紅一点のメロディーレーン(牝6歳、栗東・森田直行厩舎)は、現役屈指の人気を誇る340kg台の小柄な馬。菊花賞5着の実績はあるが、天皇賞・春は過去2回走ってどちらも11着に敗れている。3年連続の出走で少しでも着順を上げられるか。

 この他には、重賞で5戦して2着2回、3着2回と堅実なヒートオンビート(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)、19-20年にフィエールマンで2連覇を達成したC.ルメール騎手を鞍上に迎えるハーツイストワール(牡6歳、美浦・国枝栄厩舎)も上位をうかがう。

 武豊騎手は白毛馬のハヤヤッコ(牡6歳、美浦・国枝栄厩舎)と約3年ぶりの再コンビ。5年ぶり9度目の春の盾獲りに挑む。

 今年も昨年同様の消耗戦になるのか。最強ステイヤーを決める大一番は5月1日の15時40分に発走を迎える。

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