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JRA カフェファラオ超えレコード誕生も…1年前のユニコーンS(G3)から最も飛躍したのはまさかの12着馬!?

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 19日、東京競馬場では3歳ダート重賞のユニコーンS(G3)が行われる。

 過去10年の勝ち馬を見ても、そのうち7頭が後に地方交流を含むG1レースを制覇。2015年のノンコノユメから2020年のカフェファラオまで、なんと6年連続で勝ち馬がG1馬になっているという超出世レースだ。

 そんな大注目の一戦に、今年は海外帰りの2頭を含む若き砂の逸材が集結。そこに芝の重賞戦線を戦ってきた初ダートの馬が3頭も参戦と、例年以上に群雄割拠なメンバー構成となっている。

 ユニコーンSがダート馬の登竜門としての立場を確立しつつある一方で、当然ながらここを勝ったからと言って将来が約束されるわけではないというのも事実。そんな勝負の世界の厳しさに直面しているのが、昨年の勝ち馬であるスマッシャーだ。

 7番人気の低評価を覆す快勝で一躍ダート界の新星候補となった同馬だが、驚くべきはその勝ち時計。時計の出やすい重馬場だったとはいえ、1分34秒4は前年のカフェファラオがマークした1分34秒9を0秒5も上回るレースレコードだった。

 ちなみに、同じ重馬場で行われた2018年の同レースを制したルヴァンスレーヴでも、勝ち時計は1分35秒0。時計の出方は様々な条件によって変わってくるため、異なる年のものを一概に比較することはできないとはいえ、手綱を取った坂井瑠星騎手も「レコードで走れるのは力がある証拠」と、スマッシャーのパフォーマンスを称えていた。

 ところが、その後に待ち受けていたのは苦難の連続。世代限定戦のジャパンダートダービー(G1)で4着に敗れると、初の古馬混合戦となったグリーンチャンネルC(L)では7着と惨敗。

 その後も武蔵野S(G3)と東海S(G2)で11着・12着と大敗を喫し、前走は名古屋城S(OP)で9着。近走は掲示板に載ることすらできていないのだ。

 ただし、苦しんでいるのはスマッシャーだけではない。2018年生まれの現4歳世代において、JRAの古馬混合ダート重賞で馬券に絡んだのは、フェブラリーS(G1)で3着に入ったソダシと、アンタレスS(G3)で2着に入ったグロリアムンディの2頭だけ。未だに重賞勝ち馬は出ていない。

最も飛躍したのはまさかの12着馬!?

 そんな苦境の中、この世代で初めて古馬の壁を打ち破る馬が現れた。地方・兵庫所属のイグナイターである。

 もとはJRAで新馬勝ちを飾った期待馬だったが、つづく1勝クラスで敗れると早々に大井へと転厩。スマッシャーが勝ったユニコーンSには地方所属馬として参戦し、12着という結果に終わっていた。

 その年の夏に兵庫へ移籍すると、短距離路線に矛先を向けてから一気に才能が開花。昨冬の兵庫ゴールドトロフィー(G3)で3着とJRA勢に割って入ると、年明けの黒潮スプリンターズカップ(重賞)では地方馬相手に格の違いを見せつける圧勝劇を演じる。

 迎えた3月の黒船賞(G3)。4番手追走からJRAの強豪ヘリオスを飲み込み、最後は1馬身差をつける完勝。嬉しい重賞初勝利を挙げると、5月のかきつばた記念(G3)でもヘリオスやラプタス、タガノビューティーらを抑えて交流重賞2連勝。今や2018年世代のダート馬のトップランナーとして君臨している。

 1年前のユニコーンSを終えた段階で、この状況を予想できたという人はいなかったのではないか。

 ダートの登竜門、超出世レースとして注目を浴びる一戦であっても、その一戦がすべてを決するわけではない。再び勝ち馬から怪物候補が誕生するのか、はたまた負けた馬の逆襲による大どんでん返しが起こるのか……。週末の結果はもちろんのこと、若き逸材たちの“その先”からも目が離せない。

(文=木場七也)

<著者プロフィール>
 29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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