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【NHKマイルC(G1)展望】ジャンタルマンタルVSアスコリピチェーノ「2歳マイルG1馬対決」実現! 重賞ウイナー総勢9頭「超豪華メンバー」が集結

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ジャンタルマンタル

東京・芝1600mに超豪華メンバー集結!

 5月5日、こどもの日の東京競馬場で行われるのは3歳馬限定のマイル王決定戦、NHKマイルC(G1)だ。今年はフルゲート18頭に対して、27頭が登録。G1馬2頭を含む9頭が重賞ウイナーという超豪華メンバーがそろった。

 下馬評では2頭のG1馬による一騎打ちの様相を呈している。昨年の2歳マイル王、ジャンタルマンタルとアスコリピチェーノである。

 ジャンタルマンタル(牡3歳、栗東・高野友和厩舎)は、昨年秋に2歳新馬、デイリー杯2歳S(G2)、朝日杯フューチュリティS(G1)と3連勝。調教時計は目立たなかったが、実戦に行ってセンスあふれる動きとスピードを披露した。

 3歳となった今年は、共同通信杯(G3)から始動。春の大一番を見据え、東京コースを経験させる意図もあった。しかし、1番人気に推されるも、キャリア1戦のジャスティンミラノに完敗を喫し、デビューからの連勝は3で止まった。

 その後は予定通り皐月賞(G1)へ。初の2000mに不安の声も少なくなかったが、3番人気に推されると人気通りの3着に食い込んだ。

 メイショウタバルが1000m通過57秒5のハイペースを作り出す中、ジャンタルマンタルは3番手を追走。4角では2番手に押し上げて、直線早め先頭に立つ積極策を見せたが、最後はジャスティンミラノとコスモキュランダに交わされた。それでも最後までしぶとく粘り、馬券内を確保したのは実力の証しだろう。

 今回は2戦2勝のマイルに戻り負けられない一戦。ただし、コースレコードが飛び出した激戦後の中2週、さらに共同通信杯から3戦連続の長距離輸送が不安材料となりそう。ハードなローテーションを克服して、2歳マイル王に続き3歳マイル王の称号も手にすることになるのか。注目の大一番を迎える。

アスコリピチェーノ 撮影:Ruriko.I
アスコリピチェーノ 撮影:Ruriko.I

 そんなジャンタルマンタルと1番人気を争うのが、2歳女王のアスコリピチェーノ(牝3歳、美浦・黒岩陽一厩舎)だ。

 デビューはジャンタルマンタルより3か月以上も早い昨年6月。2歳新馬で初陣を飾ると、新潟2歳S(G3)、阪神ジュベナイルF(G1)と無敗の3連勝を決め、最優秀2歳牝馬にも輝いた。

 その後は軽い熱発で帰厩が遅れるアクシデントもあったが、予定通り前哨戦を使わずぶっつけで桜花賞(G1)へ。栗東滞在で調整され、本番を迎えた。

 桜花賞では体重が阪神JFから10kg増と一回りパンプアップした姿で登場。北村宏司騎手を背にちょうど中団からレースを進めた。4角でやや外に膨れるロスがありながら、最後の直線でステレンボッシュとの一騎打ちに持ち込んだが、ライバルを捕まえきれず。3/4馬身及ばず初黒星を喫した。

 もし勝っていればオークス(G1)で二冠牝馬のタイトルを狙いに行ったと思われるが、陣営は早々と適距離のNHKマイルCに照準を合わせた。

 前走からはジャンタルマンタルより1週長い中3週での競馬となるが、アスコリピチェーノにとってはこれまでで最も短い間隔。ただ、前走が久々だった分、まだ余力もあるだろう。黒岩調教師も「前走後のダメージが少なく回復も早かった」と話しており、上昇ムードで出走できそうなのは何よりだ。


 G1馬2頭の間に割って入るのは、ジャンタルマンタルと同じパレスマリス産駒のノーブルロジャー(牡3歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)である。

 デビューは昨年秋の東京マイル戦。石川裕紀人騎手を背に2番手から抜け出して初陣を飾ると、2戦目でシンザン記念(G3)に挑戦した。

 ここでは一転、中団に控える競馬を試みると、直線で外に出され鋭伸。1番人気のエコロブルームを1馬身1/4突き放す完勝で重賞Vを決めた。

 その後は1ハロン距離を延ばして毎日杯(G3)へ。3連勝を期待され堂々の1番人気に推されたが、重馬場を味方につけたメイショウタバルがスイスイと逃げ切り勝ち。ノーブルロジャーは6馬身差をつけられる完敗を喫した。

 それでもベラジオボンドとの2着争いをクビ差で制し、力のあるところを見せた。改めて得意のマイル戦で巻き返しを誓う。

ボンドガール 撮影:Ruriko.I
ボンドガール 撮影:Ruriko.I

 ボンドガール(牝3歳、美浦・手塚貴久厩舎)は、重賞勝利こそないが、走ってきたレースレベル、戦ってきたメンバーレベルは総じて高い。

 新馬戦では、桜花賞でも人気を集めたチェルヴィニアを破り、その後はサウジアラビアロイヤルC(G3)とニュージーランドT(G2)で連続2着。牡馬を相手にマイル路線で崩れることなく上位争いに加わっている。

 ボンドガールの鞍上を務めるのは前走で初コンビを組んだ武豊騎手。稍重で開催された一戦を振り返り、「得意の馬場とは思えないですが、良いレースが出来た」「力はある」とコメント。より持ち味が生きる良馬場なら大駆けの可能性も十分考えられる。


 ニュージーランドTでそのボンドガールを破ったのがエコロブルーム(牡3歳、美浦・加藤征弘厩舎)だ。

 2走前のシンザン記念でもノーブルロジャーの2着に入るなど、そのスピードは折り紙付き。得意のスタートを決めて今回も好位で上手く立ち回ることができれば優勝争いに加わってくるだろう。


 昨年のサウジアラビアRCでボンドガールに完勝したゴンバデカーブース(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)は、本来なら1番人気に推されてもおかしくない実力の持ち主だ。

 同レースでボンドガールを2馬身ちぎった末脚は世代でも屈指。3連勝を懸けてホープフルS(G1)に出走を予定していたが、感冒で出走取消。さらにその後、喉頭蓋エントラップメントを発症し手術を余儀なくされた。

 順調さを欠いたのは間違いなく、約7か月ぶりの実戦で厳しい戦いが予想されるが、そのポテンシャルは折り紙付き。状態次第でアッサリがあってもおかしくないだろう。


 この他には、マイル路線に転向後1勝クラス、アーリントンC(G3)を連勝中のディスペランツァ(牡3歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)、ファルコンS(G3)で7番人気の低評価を覆し勝利したダノンマッキンリー(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)、G1馬ナミュールの半妹アルセナール(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)など、どの馬にも上位進出のチャンスはありそう。

 実績的にはジャンタルマンタルとアスコリピチェーノが抜けているが、両馬の大目標はあくまでも前走だったはず。当初からここに照準を絞ってきた他馬にも付け入る隙は十分あるはずだ。2強がその実力を見せつけるのか、それとも伏兵がG1馬の足をすくうのか。NHKマイルCは5月5日、15時40分に発走を迎える。

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