JRA「隠れ最強馬」が待ちに待った戦列復帰…ジャスティンミラノに引け取らない実力、令和の「マツクニローテ」再現あるか?
ついに世代最強候補の戦列復帰が実現することになりそうだ。
昨年のホープフルS(G1)は、牡馬を蹴散らした女傑レガレイラが優勝し、レース史上初めて牝馬の勝利という快挙を達成した。
だが、直前に感冒で取り消したゴンバデカーブース(牡3、美浦・堀宣行厩舎)が、出走していたら、そう簡単に勝たせてはもらえなかったのではないか。
もちろん、競馬においてタラレバの話をしても詮無き事ではあるが、そう思えるほどデビュー2戦で本馬が披露したパフォーマンスが圧巻だったからである。
D.レーン騎手を背に昨年6月東京の2歳新馬を逃げ切り勝ちした際は、厩舎の期待通りにデビュー勝ち。鞍上のジャッジも「このまま成長してくれれば、いい馬になりそう」といったよくあるコメントだった。余談ではあるが同レースでは、皐月賞(G1)で2着に入ったコスモキュランダが最下位に敗れていた。
ゴンバデカーブースが見せたG1級パフォーマンス
ファンの度肝を抜いたのは、2戦目のサウジアラビアロイヤルC(G3)だ。9頭立てで行われた芝1600mのレースで、まずまずのスタートを決めたゴンバデカーブースだったが、初コンビの松山弘平騎手は徐々にポジションを下げていき最後方まで下げてしまった。
このレースには牝馬で当時世代トップクラスの評価を受けていたボンドガール、次走で東京スポーツ杯2歳S(G2)を優勝するシュトラウスなど、手強いメンバーが揃っていただけに、最後方からの競馬が消極的な騎乗に映ったのも無理はない。
しかし、最後の直線に入ってゴンバデカーブースは本領を発揮する。
コーナーワークで外の2頭をパスすると、松山騎手が促しながらゴーサインを出す。前にいたシュトラウスとボンドガールをアッという間にパスすると、手応えに余裕を残したまま先頭でゴール。終わってみれば2着争いを制したボンドガールに2馬身の差をつける圧巻のパフォーマンスを披露したのだ。
この勝利には松山騎手も「最後方は予想していなかった」と振り返りつつ、「末脚が凄かった」「レースも上手でこれからが楽しみ」と、パートナーの素質に舌を巻いた。順調にいけば、G1戦線で活躍する姿をイメージしたファンも少なくなかっただろう。
「サウジアラビアRCの内容は、『とにかくヤバイ』のひとことでしたね。昨秋の東京開催の芝1600~1800mは超スローからの前残りが頻発していたんです。レガレイラが不覚を取ったアイビーS(L)にしても、1000m通過が63秒1の超スローで脚を余す敗戦。勝ち馬は揃って好位抜け出しばかりでしたから、ただ1頭最後方から突き抜けたゴンバデカーブースがいかに凄かったか分かります。
感冒で取り消したホープフルS後に喉頭蓋エントラップメントが判明したため、やむなく休養しましたが手術も無事成功。予想より早いタイミングで復帰できそうなことは非常に良かった。皐月賞には間に合いませんでしたけど、ジャスティンミラノが頭一つ抜け出した勢力図を塗り替えるだけの実力を持っていると思います」(競馬記者)
令和のマツクニローテ再現となるか
先日分かった復帰の時期も、陣営から5月4日のプリンシパルS(L)か5日のNHKマイルC(G1)と発表されたばかり。前者が候補に挙がるということは、おそらくはここをステップに日本ダービー(G1)を視野に入れているはずである。
また、NHKマイルCに進んだ場合は、かつてこのレースをステップにダービー馬となったキングカメハメハやディープスカイのような「マツクニローテ」が令和でも見られる可能性がありそうだ。
皐月賞で2着に好走しながらも、コスモキュランダ陣営が好騎乗を見せたJ.モレイラ騎手のコンビ継続にお茶を濁した点も気になる。こちらについては、身元引受調教師である堀厩舎の管理馬だけに水面下で“モレイラ争奪戦”が繰り広げられているかもしれない。
PICK UP
Ranking
11:30更新- JRA元騎手・藤田伸二氏の「引退理由」を日本経済新聞が痛烈批判!?「木を見て森を見ない典型」と述べた騎手リーディングの本質とは
- 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 目を掛けた愛弟子の「造反」に師匠がブチ切れ!? 今村聖奈、角田大河の謹慎中に存在感発揮も…安田記念前に師弟関係で遺恨勃発か
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「関東の問題児」がバチバチの叩き合いで痛恨の騎乗停止…被害馬の騎手からもクレーム? 降着の裁決に「迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ち」
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
関連記事
デビュー3年目の武豊が「神業」魅せた天皇賞・春…イナリワンとの邂逅でいよいよ凄みを増したリヴィングレジェンドの存在【競馬クロニクル 第52回】
ジャスティンミラノを大幅に上回った「期待の良血」がG1に向けて出陣! C.ルメールに替わる新パートナーは「初制覇」のチャンス到来?
タガノエルピーダ×M.デムーロ「新タッグ」でオークスヘ!「タイトルを獲得したいものと夢見ております」悲願の初G1制覇目指す名オーナーの希望となれるか
セリフォス、ナミュールも不安?2024年マイル戦線は異常事態!マイラーズCは“安田記念を見切った格下馬”の激走に要注意!
【フローラS】「批判覚悟の出走」が1000万馬券の大波乱を演出!除外された武豊の超良血は幻のG1馬に…「東京マスター」菅原明良と挑む渾身の権利獲り