
【新潟大賞典(G3)展望】香港ヴァーズ1番人気の大物レーベンスティールが再始動!不屈の大器ヨーホーレイク完全復活なるか

一筋縄ではいかないハンデ戦、新潟大賞典(G3)
5月5日、NHKマイルC(G1)と同日の新潟競馬場では古馬ハンデ重賞の新潟大賞典(G3)が行われる。瞬発力が問われる新潟外回りコースが使用されるものの、7~8歳の高齢馬の活躍が目立つレースとなっており、ハンデ戦らしく一筋縄ではいかない印象のレースだ。
過去10年で4歳馬は2勝にとどまっているが、今年の主役を張るのはレーベンスティール(牡4歳、美浦・田中博康厩舎)だろう。
デビュー戦でのちの皐月賞馬ソールオリエンスと接戦を演じて2着。2戦目で勝利を挙げたが、春のクラシックには間に合わなかった。
それでも3歳秋のセントライト記念(G2)でソールオリエンスにリベンジを果たす勝利を挙げ、菊花賞(G1)の優先出走権を獲得した。しかし、疲れが抜けず陣営はクラシック三冠目を見送る判断を下した。
間隔を空けて矛先を向けたのは12月の香港ヴァーズ(G1)。J.モレイラ騎手を背にG1初挑戦ながら堂々の1番人気に推された。ところがレースでは中団からレースを進めるも、直線で伸びず、まさかの最下位8着に敗れている。
不可解な凡走に鞍上も「能力を全く出していません。前走(セントライト記念)時と全く違う馬でした」とコメント。陣営も敗因をつかみ切れていない様子だった。中間は時間をかけて立て直しに注力。前日4日のメトロポリタンS(L)との両睨みで調整されているが、万全の状態で出走してくれば当然、優勝候補の最右翼として上位人気に推されるだろう。
ヤマニンサルバム(牡5歳、栗東・中村直也厩舎)は、デビュー当初は芝の短距離路線で好走していたが、徐々に距離を延ばして本格化。古馬になってからはほぼ“2000m専用機”として走っている。
オープン昇級後は凡走を繰り返していたが、昨年10月のオクトーバーS(L)でオープンクラス初勝利。続く中日新聞杯(G3)も制して重賞ウイナーの仲間入りを果たした。
さらに3連勝を懸けて臨んだ今年初戦の金鯱賞(G2)では、中京巧者としてドゥレッツァとプログノーシスに続く3番人気に支持された。しかし、好位から競馬を進めるも、直線で伸びを欠いて10着に沈んでいる。
鞍上を務めた三浦皇成騎手は、久々だったことに加えて、「1角で上手くいったと思ったところで(他馬に)来られて力んで、走りが崩れてしまった」と敗因を分析していたが、リズム良く走ることができれば、巻き返す可能性は十分あるだろう。休み明けを一度使われた上積みでどこまでやれるか。

ヨーホーレイク(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)は、現役に12頭だけとなったディープインパクト産駒の重賞ウイナーの1頭だ。
シャフリヤールやエフフォーリアと同世代で、2歳時のホープフルS(G1)で3着、続くきさらぎ賞(G3)で2着。春の牡馬クラシックにも出走し、皐月賞(G1)5着、日本ダービー(G1)7着と健闘した。菊花賞には出走できなかったが、4歳初戦の日経新春杯(G2)を制して、古馬中長距離路線の主役候補に名乗りを上げた。
ところがその矢先に屈腱炎を発症し長期休養入り。ターフに戻ったのは2年以上が経過した今年3月の金鯱賞だった。久々の実戦で6番人気とファンも半信半疑だったが、好位追走からしぶとく粘って3着に好走。今回は二走ボケがなければ、レーベンスティールと好勝負に持ち込めるはずだ。
新潟で重賞勝ちがあるノッキングポイントとカラテの2頭も不気味な存在だ。

ノッキングポイント(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)は、昨夏の新潟記念(G3)で古馬を撃破して重賞初勝利。その後は菊花賞15着、金鯱賞12着と凡走しているが、叩き2戦目で一変に期待できそう。

22年の新潟記念と昨年の当レースを制しているカラテ(牡8歳、栗東・辻野泰之厩舎)は、近3走が全て二桁着順と低迷中。8歳を迎えて衰えは隠せないが、1年ぶりの新潟で復活を狙う。
この他には1月の中山金杯(G3)で重賞初挑戦ながら3着し、前走の中山記念(G2)でも5着と掲示板を確保したマイネルクリソーラ(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)、前走・美浦S(3勝クラス)で惜敗続きにピリオドを打ち待望のオープン入りを果たしたキングズパレス(牡5歳、美浦・戸田博文厩舎)、3勝クラス、福島民報杯(L)と2連勝中のリフレーミング(牡6歳、栗東・鮫島一歩厩舎)なども出走を予定している。
香港ヴァーズで1番人気に支持されたレーベンスティールが、その実力を発揮するのか。得意の左回りでヤマニンサルバムが重賞2勝目を挙げるのか、それともヨーホーレイクが不治の病を克服して完全復活を遂げるのか。注目の新潟大賞典は5月5日、15時20分に発走を予定している。
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