甘デジ「並んで万発オーバー」の爆裂パチンコ実戦！“ツキを呼ぶ”オジさんとの出会い【松戸檸檬の人生ちらみせ道中膝栗毛】

ホールで出会った自称・ツキオトコと並び打ち。甘デジなのに連チャンが止まらない!?

　エンペラータイムなんて無縁、連チャンですら夢のまた夢…とまでは言わないけれど、年々ヒキが弱まっている気がする松戸檸檬です。どうもこんにちは。若さとヒキって比例してません？ 今回は珍しく回った『PAスーパー海物語IN沖縄5withアイマリン』（SANYO）を打った日、私にしてはこれまた珍しく大当りを早く引いた時に出会った男との話をしようと思う。

　打ったアイマリンは、回るといってもボーダーレベル。なので、一昔前だと普通の台なんだけど、いつの間にボーダーを回れば回るって感覚になってしまったのでしょうね。パチンコって、こんなに回らないもんだったっけ？ 私は短時間パチンカーなので、回るのも大事だけどそれ以上にヒキが大事なのだ。

　この日の私は一味違った。2kで大当りして、5連、6連と連チャンを重ねていく。打っていたホールはパーソナルシステムを導入しているけど、沖海甘のシマはドル箱だったので、一段落したら出玉を流して、回転数を調べていた。そういや、いつの間にか玉スコップもどこかいっちゃったね。名古屋を出てから、見たことないや。

「俺はツキオトコだから」

　私が機嫌よく連チャンを消化していると、隣の席にふらっとおじさんが着席した。そのおじさんは、あの冬ソナのキム次長に似た顔立ちで髪の毛はキレイにリーゼント風にまとめられていた。おじさんは座って数回転で魚群がやってくると驚いたようなアクションをした。その姿に私もつい目をやってしまい、お互いに微笑んだ。

　その魚群はあっさり外してしまったが、またすぐに魚群がやってきた。今回は当ったので、良かったですねと会話した。「俺、これは全然打たないんだよ」と言っていたおじさんは普段は『P大海物語4スペシャル319ver.』を打っているらしい。会話をちょこちょこと挟みながら打っていた私達は連チャンを伸ばしていた。

　さらに連チャンが終わった私もすぐに大当りを引いた。「おじさんが来てから、よく当るね」なんてリップサービスをすると「俺はツキオトコだから」と自慢げに言った。「ふふふ、ツキオトコか、そうかもしれないですねー」。

　ツキオトコのおかげで、連チャンを抜けても残保留で当ったりと、なかなか大当りが止まらなかった。私はタイムリミットが迫ってきていて、少し焦っていた。

「お姉さんの台、調子いいね。このまま伸びるよ」
「おじさん、やる？ （時間がないから時短をやらないかという意味合い）」
「ううん、それはね、貴女だから出るんだよ」

　そう言ったので、なかなか硬派なキム次長だなと思った。 しかし、本当に時間がない。こんな時に限ってまた大当りを引いてしまう。

「おじさん。私ね、時間がないの。この台やらない？ 」
「いやぁ、俺はこの台打つよ」
「私ね、もう出なくちゃいけなくて、おじさんが時短抜けたらその台をやめて、私の時短を打たない？ 」

「いやぁ、俺は…うん、やる！ （途中で理解した様子） 」

　キム次長に時短を譲って私は店を後にした。はじめは、貴女だから出るんだよと言い、自分のことを“ツキオトコ”と言っていた彼だけど、周りの人にツキを与えるだけではなく、自身もツイている男だった。最終的のそのアイマリンは最大出玉2万発（私が1.4万発ぐらい）となっていた。それ以来、そのツキオトコとは遭遇できていない。

（文＝松戸檸檬）
<著者プロフィール>
　パチンコ発祥の地・名古屋市出身。ファッション誌の編集者になる予定がパチンコ雑誌の編集者になった事がきっかけで、この業界にズブズブと浸かる。編集者の後、フリーライターを経て、開発会社にてグラフィックデザイナーとなる。パチンコ業界の外側から内側まで経験し、業界で稼いだお金はキチッとホールに還元する清く正しきパチンカー。 

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