
JRA武豊「最年少G1制覇」超えも視野、大胆騎乗に関係者からも絶賛の嵐…「ゴールデンルーキー」今村聖奈はなぜこれほどの感動を呼んだのか

3日、小倉競馬場で開催されたCBC賞(G3)を制したのは、今村聖奈騎手とテイエムスパーダ(牝3、栗東・五十嵐忠男厩舎)のコンビ。今年デビューした新人騎手でトップを独走するゴールデンルーキーが日本レコードで爽やかに駆け抜けた。
開幕週の小倉は土曜から条件戦ですら速い時計の決着が見られていたように、重賞のCBC賞ならレコード更新の下地は十分に揃っていた。それでも芝1200m戦で1分05秒8(良)という数字を目にすると驚かされるばかりである。
立役者となったのは勿論、テイエムスパーダに騎乗した今村騎手だ。人気薄の馬で単純に重賞初騎乗が注目されるのではなくパートナーは2番人気。3歳牝馬で斤量も48キロという軽ハンデの恩恵があったとはいえ、2着馬に3馬身半の差をつけるワンサイドゲームだったことは評価すべきだ。
事実、今村騎手が騎乗していたからこそのレコード更新といっていい内容。スタートを切ると迷いなくハナを奪いに行き、玉砕的なラップにも映る前半3F31秒8のハイペースで逃げ切り勝ちを収めた。
大胆騎乗に関係者からも絶賛の嵐…
これには「スタートを決めた時点で勝負あり」と武豊騎手も評価、「小細工なしって判断できたのが素晴らしい」と評した元JRA騎手の安藤勝己氏ら他の関係者からも絶賛の声が多数出たほどだった。
では、なぜ今村騎手の騎乗がファンや関係者にこれほどの感動を呼んだのか。
表面的な見た目では、斤量に恵まれた馬がオーバーペースで逃げたらそのまま残ってしまったという結末に思えても、そこには鞍上の大胆不敵な決断と綿密なシミュレーションによって導かれた騎乗があったからといえる。
「昨日今日と前々につける馬に乗せていただき、いろいろ試行錯誤してこのレースに向き合いました。開幕週ということもありましたが、馬に乗っていろいろ勉強させてもらったなかで、最高の結果で応えられたかなと思います」
勝利騎手インタビューで振り返った言葉からも、前に行きさえすれば勝ち負けできると確信していたことが伝わってくる内容だ。経験の浅い新人騎手なら緊張で冷戦な判断を欠くことが少なくない中、「冷静でした。走るのは馬だし、G1だから、重賞だからと思うと馬に余計なプレッシャーをかけるだけだと、私は思っています。同じ精神面で臨めました」と言ってのけたメンタルの強さは特筆に値する。
「今村騎手が素晴らしかったのは、他の馬がどうこうよりも自分とテイエムスパーダの勝負と割り切っていたことでしょう。周りの出方を気にすることなくまずは全力でハナを奪うことに主眼を置いたことです。
少々ハイペースで飛ばしても前残りの高速馬場なら残せるという自信の裏付けもそれまでのレースで既に確認済み。後は行くだけ行って交わされたら仕方がないと覚悟していたように思えます」(競馬記者)

ちなみにCBC賞では同じ3歳牝馬のアネゴハダも49キロの斤量で出走して3着に敗れている。
同馬に騎乗した藤懸貴志騎手は、「勝った馬が強かったです」と振り返ったものの、12年目でキャリア初の1番人気だったこともあってか3番手からの競馬で「取りたい位置を取れた」とコメント。直線でモニターを見てセーフティーリードを確認する冷静さも見せた今村騎手が凄過ぎたと言えばそれまでだが、少々弱気な騎乗に映ったのは気のせいだろうか。
テイエムスパーダは次走に北九州記念(G3)を視野に入れているようだが、こちらもまたハンデ重賞。今回は主戦の国分恭介騎手が乗れない斤量で思わぬ騎乗依頼が舞い込んだ格好となるが、ハンデ次第では続投もあるかもしれない。
そして次に気になるのは、北九州記念の次に目標となるスプリンターズS(G1)の舞台だ。まだ先の話だけに鞍上が誰になるのかは分からないものの、G1に今村騎手が騎乗するにはJRAの規定で定められている31勝以上が条件となる。
現在の19勝からあと12勝の上乗せが求められるが、今の勢いならクリアできそうな雰囲気。もし実現するようなら今度は初G1騎乗初勝利だけでなく、武豊騎手が持つ最年少G1勝利(19歳8ヶ月)の記録更新も視野に入ってくる。
まだまだ始まったばかりの夏競馬。ニューヒロイン誕生を予感させた今村騎手の快進撃はどこまで続くだろうか。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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