パチンコ店「期待度が激高」…“一度”限りの出玉祭りの思い出!!

ユーザーが出玉に期待する特定日

　規制の強化によって、イベント開催が不可能となったパチンコ店。「この日はアツいですよ」といった示唆をホールができない状況ですが、ユーザーが「出玉」に期待する特定日というのは今でも存在しております。

　その一つが人気キャラクターの誕生日。直近では9月23日が『Re：ゼロから始める異世界生活』に登場する「エミリア」の誕生日です。今年も多くのユーザーが『リゼロ』を目当てにホールに来店したことでしょう。

　昨年の同日には、入場時に1000人を超えるユーザーが集まったホールもあったとか。同タイトルのパチスロでは、「設定6演出がでた」「高設定ツモった」といった歓喜の声が続出しておりました。

　今年はパチンコでも大成功を収めた『P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.』がありますから、以前にも増してホールが盛り上がっていたのかもしれません。

特定日で最も熱いのは一度限りのアノ日!?

　この他にも、「ジャグラーの日（5月5日）」や7月7日といったゾロ目の日。各ホールの旧イベント日や新台入替など、ユーザーが期待する特定日は色々とありますが…。

　私が働いていたホールで最も「アツい」と感じた特定日。それは「グランドオープン」です。

　個人的な印象としては、出玉の期待度は他を圧倒するものがありました。遊技台の大半がお客様のプラスとなるような大盤振る舞い状態。「グランドオープンだけは別格」と認識している方も多いのではないでしょうか。

　もはや「台を取れたら勝ち」と表現しても大袈裟ではない一度限りのお祭り騒ぎ。その裏側では、ホール店員がオープンに向けて必死に準備を進めているという背景がございます。

　私もオープニングスタッフを経験したことがありますが、あまりの忙しさに逃げ出したくなったというのが正直な感想です。

　特に大変だったのが遊技台の取り付け。新台入替であれば多くても100台前後で済みますが、グランドオープンともなれば設置台“0”の状態から全て設置しなくてはなりません。

　対応した店舗は設置台数500台。いわゆる中規模ホールに該当しますが、それでも1から取り付けることを考えると気が遠くなります。オープンまでの猶予が1ヵ月しかないという状況だったので、急ピッチで作業を進めなくてはなりませんでした。

　100台…200台…と、ひたすら遊技台を取り付けていく毎日。どんどん疲労がたまっていくのを感じましたが、手を止めれば予定日まで間に合いません。私はひたすら作業を続けましたが…。

　ついに限界を迎えてしましました。思い出すだけで冷汗が出てくる“超ミス”を犯してしまったのです。

　私の腕は遂に限界を迎えってしまったのでした。台を持ち上げた際に力が入らず、そのまま床へ落としてしまったのです。

　BGMのない静寂なホールに、「ドーン」という凄まじい音が鳴り響きました。怪我はなかったのは良かったのですが、問題なのは落とした遊技台。落下の衝撃で壊れていてもおかしくはありません。

　グランドオープンなのに稼働停止の台があるなど、絶対にあってはならないこと。私は恐る恐る動作チェックを行いました。

「頼む！壊れないでくれ！」といった私の願いが通じたのでしょうか。台は奇跡的に何の問題もなく作動してくれたのでした。その後は順調に作業が進められ、設置予定の開店1週間目に全台取り付けが完了したのです。

　こうして迎えたグランドオープン当日。開店前には1000名を超えるお客様が来店しました。抽選人数を1200名で打ち切り、近隣の方々へ迷惑が掛からないようにスタッフが総力をあげて対応しました。

　この時点でヘトヘトでしたが、開店後も目の回るような忙しさは続きます。終日ほぼフル稼働なので、遊技台や設備のトラブルが絶えませんでした。あの忙しさは異常だったと思います。

　それにしても、あの日の出玉は本当に凄かったのを思い出します。ホールにはドル箱タワーが一面に広がっていたのです。楽しそうに遊技しているお客様が、心から羨ましく感じました。

　店長いわく、グランドオープン初日は「ほぼ全台が赤字だった」とのこと。ここだけに限って言えば「数百万円の予算が出ていた」とも話しておりました。ホールの第一印象を決める大事な日だからこそ、全力で出玉アピールに徹するということなのでしょう。

　減少の一途を辿っているパチンコ店。今では新規ホールが参入する機会は非常に少ないかと思いますが、グランドオープンする店舗を見かけた際は足を運んでみてはいかがでしょうか。