
コントレイルに「喧嘩を売った男」石川裕紀人、無念の降板劇から2年で掴んだ栄冠

「コントレイルにも一矢報いることができるんじゃないかなって」
一昨年の夏、『netkeiba.com』の『今週のface』でインタビューに応じた石川裕紀人騎手は、相棒のブラックホールとそんな小さな野望を抱いていた。
2連勝で札幌2歳S(G3)を制したブラックホールは、翌年の春のクラシック戦線を石川騎手と共に走り抜けた。しかし、皐月賞(G1)は9着、日本ダービー(G1)も7着と同世代トップクラスの厚い壁に跳ね返されている。その頂点にいたのが、無敗の二冠馬コントレイルだった。
一見、無謀な挑戦にも見えるが、毎日のように調教に乗っていた石川騎手は、相棒の類稀なるステイヤーとしての可能性を感じていた。あえて同世代の絶対王者の名を口にしたのも、舞台が淀の3000mだからこそだ。
「本当に、本当に楽しみですね。間違いなくクラシック三冠では1番合っている舞台だと思いますから」
ご存知の通り、この年の菊花賞(G1)ではコントレイルがシンボリルドルフ、ディープインパクトに続く史上3頭目の無敗三冠を達成。そんな中、ブラックホールは14番人気という低評価を覆して5着に好走している。
しかし、その鞍上に石川騎手の姿はなかった。インタビュー後の札幌記念(G2)で惨敗したブラックホールの陣営からは、藤岡佑介騎手への乗り替わりが発表されていたのだ。
前述のインタビューでは「だから菊花賞まではブラックホールの背中から下ろされないようにしたいです(苦笑)」と自嘲気味に語っている石川騎手。だが、その直後の「これは必ずしも冗談ではなくて」「厩舎やオーナーの期待に、自分は応えられていない」という言葉からは、ブラックホールが1年間勝利から遠ざかっている危機感がひしひしと感じられていた。
その後、ブラックホールは翌年春の調教中に故障で競走能力を喪失し、そのまま引退。石川騎手がその背中に戻ることはないまま、2人の冒険は幕を閉じている。
「うれしい以外の言葉が、ちょっと見つからないです」
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