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「1着しか評価されない」謙虚過ぎるコメントに絶大な支持、関係者も「絶対に無理」「普通は届かない」と評した奇策に“幻の桜花賞馬”コンビが涙

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「1着しか評価されない」謙虚過ぎるコメントに絶大な支持、関係者も「あの位置からは絶対に無理」「普通は届かない」と評した奇策に幻の桜花賞馬コンビが涙の画像1
リバティアイランド 撮影:Ruriko.I

 9日、3歳クラシック開幕を告げた桜花賞(G1)で見事な勝利を飾ったのは、単勝オッズ1.6倍の断然人気に応えたリバティアイランドと川田将雅騎手のコンビだ。内前有利な馬場状態で2枠3番という絶好枠を引きながら、鞍上が選択したのはまさかの後方待機策。それも最後方近くまで下げてから大外に持ち出すというセオリー無視にも映る奇策で桜の女王の座についた。

『サンケイスポーツ』の報じた記事によると、ノーザンファームの吉田勝己代表は「こんな馬は見たことない。あの位置からは絶対に無理だと思いました」、サンデーレーシングの吉田俊介代表も、「すごいですよね。普通は届かないです」と舌を巻いた様子。ディープインパクトやオルフェーヴル、アーモンドアイなど数多の名馬たちを手掛けた関係者すら驚かされたのだから、リバティアイランドの走りがいかに常識破りだったのかも伝わってくる。

 その一方で、勝てたはずのレースでまさかの敗戦を喫してしまったのが、6番人気で2着に入った鮫島克駿騎手とコナコーストのコンビだ。着差こそ3/4馬身だったとはいえ、役者の違いを思い知らされるリバティアイランドの強さだった。

「1着しか評価されないと思っていますし、満足はしていませんが、馬の走りは良かったと思います」と鮫島駿騎手は前を向いたが、相手が悪過ぎたというより仕方がない。

 JRAが公開したジョッキーカメラ(騎手目線でレース映像の確認が可能)内では、川田騎手が鮫島駿騎手に対し「2着来た?いや、おまえに勝たれるかと思ったわ。いい走りやったなそれ」と話し掛けている一幕もあった。

 一歩間違えれば「騎乗ミス」と非難されてもおかしくなかった川田騎手とリバティアイランドの前に、人馬ともに悲願のG1タイトルを目前にしてスルリ。完璧な騎乗を披露しながら、結果だけが完璧ではなかった。敗れた悔しさと、やれることはやったという想いとの間でその胸中は複雑だったのではないか。

 この結果には、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterにてリバティアイランドを「今日の馬場では考えられん上がり」と驚いた一方で、コナコーストに対して「普通の年なら桜花賞馬やったかもしれないね」「普通ならコナコーストとペリファーニアで決まっとる」と“幻の桜花賞馬”といえる評価をしていたほどだった。

鮫島駿騎手の謙虚過ぎるコメントに絶大な支持

「1着しか評価されない」謙虚過ぎるコメントに絶大な支持、関係者も「あの位置からは絶対に無理」「普通は届かない」と評した奇策に幻の桜花賞馬コンビが涙の画像2
鮫島克駿騎手 撮影:Ruriko.I

 また、ネットの掲示板やSNSなどでは、鮫島駿騎手の謙虚過ぎるコメントも話題を呼んだ。普段から当日の馬場傾向や自身の騎乗意図を、ファンにわかりやすく説明している同騎手だが、桜花賞後にも恒例の回顧をしてくれた。その内容が以下である。

「時計が出やすいイン有利の馬場だったので、思い切って、積極的に、この馬の力を出し切ることを考えました。スタートが良く、ダッシュも良く、馬任せで、馬の気持ちを尊重しながら進みました。直線では追い出しを待ちながら、3着のペリファーニアに前に出られましたが、振り切りました。ただ、振り切ったところで凄いのが来たという印象です」

 馬場の傾向を騎乗に反映できない騎手も珍しくない中、スタートを決めると積極果敢にインの2番手に潜り込む好判断。道中の折り合いもバッチリで最後の直線でも追い出しを待つ冷静さも残していた。

 3着のペリファーニアに一度は並び掛けられるシーンもあったが、叩き合いを制することが出来たのは、ロスのないインで脚を溜められていたからに他ならない。規格外の走りを披露した勝ち馬が、後方から大外を回すという真逆の競馬で突き抜けたのだから、こればかりはどうしようもない。

 だが、今年の桜花賞で一番上手く乗っていたのは、間違いなく鮫島駿騎手だろう。最近になって後輩騎手の初G1制覇が話題に上がることも多いが、騎手としての手腕はいつG1を勝っても不思議ではない。

 この悔しさは次走のオークス(G1)で晴らすのみ。いずれ訪れるであろうG1勝利は着実に近づいているはずだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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