
【オークス】大本命馬リバティアイランドに大苦戦の兆候!?「この春で最も簡単なG1」の声も、歴史が示す「包囲網」の恐ろしさ

先週、牝馬クラシック第2戦オークス(G1)へ向けた最終トライアル・スイートピーS(L)が行われ、ウヴァロヴァイトが勝って優先出走権をゲット。しかし、残念ながら本番に進む予定はないようだ。
G1・2着馬のシンリョクカでさえ、出走が危ぶまれたクラシック参戦ボーダーはどこへやら……。超ハイレベルだった桜花賞(G1)の賞金ボーダーとは一転、収得賞金を持つ有力馬が次々と回避を表明し、どうやらオークスには1勝クラスを勝っただけの馬でも出走する余地が生まれそうだ。
オークスの賞金ボーダー“ダダ下がり”の最大の原因は言うまでもなく、女王リバティアイランド(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)の存在に尽きるだろう。
無論、純粋に2400m向きではない馬もいるが、やはり同世代のライバルの多くが女王に白旗を上げてしまった。それくらい桜花賞でリバティアイランドが見せたパフォーマンスは群を抜いていた。桜花賞の時点で単勝1.6倍の大本命だったが、すでに三冠の呼び声も高く、「この春で最も堅いG1」と言われているオークスでは、さらなる人気集中があってもおかしくはない。
このままでは馬券も「リバティアイランドを1着固定するだけの簡単なレース」ということになってしまうが、本当にそれで大丈夫だろうか?
何故なら「オークスの歴史」は女王の苦戦を示唆しているからだ。
歴史が示す「包囲網」の恐ろしさ
スティルインラブが史上2頭目の牝馬三冠馬に輝いた2003年から、春二冠もしくは三冠を達成した牝馬はスティルインラブ、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ、デアリングタクト、そして昨年のスターズオンアースの7頭もいる。
桜花賞馬がオークスで春二冠を狙う場合、最も意識しなければならないのは1600m→2400mという距離延長に他ならないが、それと同じくらい重要なのがライバルからの「マーク」や「包囲網」ではないだろうか。
例えば、2020年に牝馬として史上初の無敗三冠を成し遂げたデアリングタクトだが、オークスでは厳しいマークに遭って苦戦したことを覚えているファンも多いのではないだろうか。
レース後に主戦の松山弘平騎手が「内めの争いが激しくて1、2コーナー辺りで狭くなった」「直線も少し狭くなった」と度重なる不利があったことを示唆し、「頑張ってくれた馬にありがとうと言いたい」と苦戦のほどを打ち明けている。
ちなみにデアリングタクトは桜花賞こそ2歳女王レシステンシアに1番人気を譲っていたが、オークスでは単勝1.6倍の大本命だった。
一方、桜花賞こそハナ差の辛勝だったが、オークスで1馬身1/4差と着差を広げたのが昨年のスターズオンアースだ。こちらは桜花賞では7番人気の伏兵であり、オークスでも3番人気とあくまで挑戦者の立場だった。
残念ながら秋華賞(G1)で敗れて牝馬三冠は成らなかったが、三冠レースで初めて主役となる1番人気に支持されていたことは無関係ではないだろう。
その上で、上記した春二冠・三冠牝馬7頭の内「桜花賞・オークス共に1番人気だった」のは、実はブエナビスタ、アパパネの2頭しかいない。逆に言えば残り5頭には、自分以上にライバルたちから警戒されている、つまりは他馬のマークを引き受けてくれる本命馬がいたということだ。
また7頭の内、リバティアイランドと同じように前年の阪神JF(G1)を勝利していたのもブエナビスタ、アパパネの2頭だけである。そういった意味でも、この2頭はリバティアイランドと共通点が多い。
ここまで言えば、熱心な読者には察しがつくかもしれないが、桜花賞ではレッドディザイアに半馬身をつけたブエナビスタだが、オークスではハナ差まで詰め寄られ、秋華賞ではついに逆転を許してしまった。またアパパネのオークスに至っては、勝つには勝ったがサンテミリオンとの同着である。
これらを踏まえると一見楽勝ムードのリバティアイランドだが、楽観視は禁物と言わざるを得ないだろう。
番外編として2003年以降でブエナビスタ、アパパネの他に阪神JFと桜花賞を勝利しながらオークスで敗れた馬ではソダシの名が挙がる。オークスでは単勝1.9倍の大本命馬だったことも頭に入れておくべきだ。
スティルインラブが牝馬三冠を成し遂げた2003年から20年、5頭の三冠馬と2頭の春二冠馬が誕生している通り、桜花賞馬がオークスを勝つ確率はざっくり7/20と、かなりの高確率だ。
しかし、すべて1番人気での牝馬三冠達成はアパパネだけ。春二冠でもブエナビスタが加わるだけということも覚えておきたい。
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