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川田将雅「6月大失速」でリーディング陥落…C.ルメールと明暗分かれたトップジョッキーの宿命とは

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川田将雅「6月大失速」でリーディング陥落…C.ルメールと明暗分かれたトップジョッキーの宿命とはの画像1
宝塚記念を勝ったイクイノックス 撮影:Ruriko.I

 25日に阪神競馬場で行われた宝塚記念(G1)は、1番人気のイクイノックス(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)が勝利。大外一気で他馬をねじ伏せ、“世界No.1ホース”の貫禄を見せつけた。

「ありがとうございます。世界一の馬で勝つことができてよかったです!」

 レース後、そう喜びを表したC.ルメール騎手は、この勝利でこの日2勝目。前日の4勝を加えて今週6勝の大暴れとなった。2017年から5年連続でリーディングジョッキーに輝いた名手が、勝ち星を77勝まで伸ばして再び首位という“定位置”に戻ってきた格好だ。

川田将雅騎手「6月大失速」でリーディング陥落…

川田将雅「6月大失速」でリーディング陥落…C.ルメールと明暗分かれたトップジョッキーの宿命とはの画像2
川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 一方で、ここに来て最多勝の座を明け渡すことになってしまったのが、昨年悲願の初リーディングに輝いた川田将雅騎手だ。

 昨年JRAで143勝を挙げ、デビュー19年目にして初の最多勝を獲得した川田騎手。2019年から3年連続でルメール騎手の2位に甘んじていた鬱憤を晴らすタイトル奪取は、同時に最高勝率、最多獲得賞金も達成する史上4人目の騎手大賞の快挙となった。

 まさに“川田時代”の幕開けを思わせる勢いは年が明けても止まらず、早々にリーディング首位に立った川田騎手は快調に勝ち星を積み上げる。一時は2年連続リーディングへ視界良好と思われた。

 だが、今月に入って大きく失速……。そして昨日、ついにリーディング首位の座を最大のライバルに再び明け渡すこととなってしまった。

「今月(6月)を迎えた段階で、川田騎手が66勝でルメール騎手が61勝。2人とも快調に勝ち星を伸ばしていたこともあって、その差がなかなか詰まらない状況でした。

しかし、今月になって川田騎手が失速すると同時に、ルメール騎手が加速……。1か月で約13勝ペース(66勝/5か月間)だった川田騎手が7勝に終わったことに対して、約12勝ペース(61勝/5か月間)だったルメール騎手が16勝と大きく勝ち星を伸ばしました。

その結果、6月を終えて77勝を挙げたルメール騎手が、逆に川田騎手に4勝差をつけてリーディングトップに立っています」(競馬誌ライター)

 ずっと好調を維持していた川田騎手だが、ここに来ての急失速。前出のライターは、その原因の1つが「春の連続G1開催」にあるという。

川田将雅「6月大失速」でリーディング陥落…C.ルメールと明暗分かれたトップジョッキーの宿命とはの画像3
C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

「3月の高松宮記念に始まり、先週の宝塚記念まで続いた春のG1開催ですが、その中核となったのがNHKマイルC、ヴィクトリアマイル、オークス、日本ダービー、安田記念と続いた5週連続の東京G1開催です。

これは川田騎手が昨年まで、ずっとルメール騎手を上回れなかった理由の1つにもなるのですが、実は川田騎手はアウェーの関東で有力馬を集めることに苦労していて……。関西ではまさに無双状態なのですが、関東遠征になるとなかなか大きく勝ち星を上積みできない状況が続いています。

数多くの有力馬をお手馬とする川田騎手ほどのトップジョッキーになると、G1に乗らないわけにも行きませんし……。ですが、東京に行くと勝ち星が思ったように伸びない。そんなジレンマを抱えている内に、ルメール騎手に交わされてしまいました」(同)

 ライターの話す通り、今年の川田騎手は全体成績でこそ勝率0.299と、リーディングを獲った昨年の0.259を大きく上回る結果を叩き出しているが、こと東京に限ると0.161まで落ち込む。一方、全体成績で勝率0.247のルメール騎手だが、こと東京に限ると0.291まで跳ね上がる。

 つまり両者が東京で乗れば乗るほど川田騎手にとって不利な状況が続き、そしてそれは大レースが東京を中心に開催される限り、避けては通れない“宿命”というわけだ。

「春の東京連続G1が始まった5月以降、川田騎手は5レースすべてに騎乗しましたが、わずか合計5勝に終わっています。ちなみに今月は2度遠征して未勝利と苦戦が続きました。

一方のルメール騎手は、自分の“庭”である東京にべったり。NHKマイルCの週こそ米国のケンタッキーダービー(G1)騎乗のため不在でしたが、それでも合計24勝を上積みしています。

ルメール騎手も関西所属ですが、日頃から関西の“川田無双”を避けるように積極的に関東へ遠征しており、遠征しても騎乗馬の質が落ちないのが強み。両者の特徴の違いが、リーディング入れ替わりの大きな理由になったことは間違いないでしょう」(同)

 だが、そんな川田騎手にとっての鬼門となっている東京開催も先週で一段落。夏競馬が本格化すれば、再び勢いを取り戻すに違いない。

「ルメール騎手は、今年も夏は恒例の“バカンス”に出かけるようですし、秋にはフランスの凱旋門賞(G1)や米国のブリーダーズC、香港の香港国際競走などの海外遠征にも積極的だとか。

ポイントは、川田騎手がどれくらいリーディングに拘りを見せるかになりそうです。国内の騎乗に専念すれば、それだけ大きなアドバンテージになるでしょう」(同)

 昨年のリーディング獲得で「やり遂げた感がある」と話していた川田騎手だが、今年2月に自身が『netkeiba.com』で連載する『VOICE』内で戸崎圭太騎手と対談した際は、「誰かが僕の上にいることを僕が許せない」と再び意欲を燃やしている様子だ。

 2023年のリーディング争いもいよいよ折り返し、これまで数々の名勝負を演じてきた川田騎手とルメール騎手だが、今年も熱い争いが繰り広げられそうだ。

GJ 編集部

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