【ラジオNIKKEI賞(G3)展望】ソールオリエンスと接戦演じた大器が重賞初挑戦! 1番人気は大苦戦も今年は大丈夫!?
7月2日、福島競馬場ではJRAで唯一の3歳馬によるハンデ重賞・ラジオNIKKEI賞(G3)が行われる。1番人気は過去10年で「2-2-0-6」とまずまずだが、過去6年に絞ると「0-1-0-5」。2着に入ったのが後に長距離G1を3勝するフィエールマンなので、かなり苦戦しているといえるだろう。
今年1番人気が予想されるのは、リアルスティールの初年度産駒で、大器と評判のレーベンスティール(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)だ。
評判が高い理由は、デビュー戦でのちの皐月賞馬ソールオリエンスと接戦を演じたから。陣営も認めているように、体質にはまだひ弱な面も残っており、完成されるのは古馬になってからだろう。それでいて、初戦からソールオリエンスと差のない競馬をし、これまで4戦2勝、2着2回と崩れることなく堅実に走っている。
今年初戦の1勝クラスは2着に取りこぼしたが、同級2戦目の前走(東京芝1800m)は、5馬身差の圧勝。好位3番手から上がり最速となるラスト3ハロン33秒0の末脚を繰り出して2勝目を挙げた。
勝ち時計の1分47秒4は、同日の古馬2勝クラス(テレ玉杯=勝ち馬ルージュエクレール)と比べても0秒1遅いだけと非常に優秀。重賞は今回が初挑戦となるが、ポテンシャルの高さはG3ならやや抜けている印象すらある。
リアルスティール産駒はオールパルフェがデイリー杯2歳S(G2)を勝っているが、牡馬牝馬とも春のクラシックに出走馬はいなかった。それだけに本馬に懸かる期待は大きい。
鞍上はこのレースを2度(12年ファイナルフォームと16年ゼーヴィント)制している戸崎圭太騎手。充実の秋に向けて、ここは通過点となるか。
バルサムノート(牡3歳、栗東・高野友和厩舎)は、父モーリス、母がスプリント重賞2勝のエピセアロームという期待の血統馬だ。昨夏の小倉でデビュー戦を勝利で飾ったが、その後は1勝クラスで3連敗を喫していた。
待望の2勝目を挙げたのは格上挑戦した前走の白百合S(L)。序盤は無理をせず8頭立ての6番手から競馬を進めると、終始外々を回って4コーナーでも後方集団のまま。8頭がほぼ一団で直線を迎えると、最後は内によれながらも先行各馬をねじ伏せるように差し切った。
勝利を挙げたのはいずれも直線が平坦の小倉と京都なら、福島コースにも不安はないだろう。鞍上はこれまで5戦全てで異なる騎手が務めてきたが、今回もテン乗りの松岡正海騎手が手綱を取る。前走でも露呈したように道中の折り合いにはまだ不安を残している。好走のカギは鞍上とのコンビネーションとなりそうだ。
ウヴァロヴァイト(牝3歳、美浦・萩原清厩舎)は、前走・スイートピーS(L)を中団から差し切ってオークス(G1)の優先出走権を獲得した実力馬。しかし、リバティアイランド1強ムードの本番への出走は見送っていた。
これまで5戦中4戦で広い東京コースを走っており、小回りコースは2着に敗れた初戦の札幌以来。牡馬と走るのも新馬戦以来で、もしここで好走すれば秋華賞(G1)にもメドが立ちそうだ。
ただし、このレースは牝馬には鬼門となっている。過去10年で牝馬は「0-1-0-22」と牡馬に歯が立たず。勝ち馬に至っては、1992年のシンコウラブリイまでさかのぼらなければいけない。
前走で初コンビを組んだ菅原明良騎手を背に2連勝を飾って、打倒リバティアイランドに名乗りを上げることができるか。
重賞で2着の実績がある2頭にもチャンスがある。
1頭目は1月の京成杯(G3)でソールオリエンスの2着に入ったオメガリッチマン(牡3歳、栗東・安田翔伍厩舎)。近2走は毎日杯(G3)と京都新聞杯(G2)で連続6着と結果が出ていないが、3走前の激走再現を狙う。
2頭目は昨秋のサウジアラビアロイヤルC(G3)で2着したグラニット(牡3歳、美浦・大和田成厩舎)。3月のスプリングS(G2)でも0秒4差の4着に入るなど、重賞でも通用する能力を持っている。唯一の勝利を挙げた福島芝1800mならチャンスは十分ある。
この他には、白百合Sで2着だったアイスグリーン(牡3歳、栗東・池添学厩舎)、3着に逃げ粘ったセオ(牡3歳、栗東・上村洋行厩舎)、スイートピーSで上がり最速タイの末脚を発揮し、ウヴァロヴァイトと0秒1差の3着に好走したアグラシアド(牝3歳、栗東・中村直也厩舎)、ゴールドシップ産駒のマイネルモーント(牡3歳、美浦・高木登厩舎)なども上位争いに加わってくるだろう。
福島開幕週に行われるだけに、このレースは内枠有利が定説。実際に過去10年で1~2枠の馬は「5-3-5-19」の好成績を残している。この辺りも予想する際の参考になるかもしれない。発走は15時45分を予定している。
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