V入賞後は完走必至…「伝説の名機」が誕生【SANKYO羽根モノの軌跡―その7】
SANKYO羽根モノの軌跡―その7
1990年、国家公安委員会の規制が改正された。これにより、パチンコの賞球数はオール「15」が可能となったほか、大当り出玉は2,400個まで引き上げられ、景品単価も上限1万円までの値上げが認められた。
ただし、結果的に3,000個もの出玉を得られた、それまでの「おまけチャッカー」は禁止に。デジパチの出玉は実質的に引き下げられた。
一方、羽根モノは継続が「8回」から「15回」までアップ。電チュー(電動チューリップ)の搭載も認められた。
もちろん、これまで独創的な役物による玉の動きでファンを魅了し続けていた三共も、この“新要件機”の製造に着手。そんな同社の“新要件機”第1号は『道路工事GP』と『ロボくんⅠ(&Ⅱ)』だった。
V入賞後は完走必至「伝説の名機」が誕生
また、1991年2月には『サンダードラゴンGP』をリリース。通常時は大砲の動きなどのタイミングをクリアして玉がV入賞すれば大当りとなるが、そのタイミングが非常に難しい反面、大当りを射止めた際はドラゴンの手が閉じて最大8個まで貯留→一気に解除されることから完走は必至で、そのメリハリあるゲーム性は後継機が出るほど高い人気を誇った。
同月に発売した『マッドボーイSP』は、盤面下部に電チューを搭載している点が大きな特徴。電チューは2チャッカーで、左右落とし入賞で0.4秒×2回開放される。大当り後は少年が持つビーカーの中に最大5個まで玉を貯留。ハズレ10カウント、もしくは18回羽根開閉後はビーカーの底が持ち上がり、継続をアシストしてくれる。
5月に登場した『ガンコおやじⅡ』は、役物で和風家屋の一室を表現。ちゃぶ台をひっくり返すおやじの動きがV入賞のカギを握り、大当り時はちゃぶ台の上に最高8個まで玉を貯留→ハズレ9カウント後におやじがひっくり返して解除される。
9月にデビューした『名人会GPA』は、役物中央にいる三ノ助と三太郎によるアクションが、まさに名人芸の貯留タイプ。大当り中は傘に最大8個まで玉を貯留→ハズレ9カウントor16回羽根開閉で一気に解除される様は、非常にダイナミックだった。
10月に発売した『スパークマンⅢ』は、空飛ぶ正義のヒーローを役物に配置。賞球数オール「10」の遊びやすいタイプで、貯留解除のタイミングはハズレ6カウントor16回羽根開閉後だ。
このほか同社は同年、大当り中は明神様のゴッドハンドが上昇する『大明神GPⅡ』、左右肩通過で小デジタルが回転→奇数停止で電チューが3秒開放される『悟空SP』、継続重視の役物を採用した『ポンキッドGPⅡ』などもリリースした。
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