【日経新春杯(G2)予想】シンリョクカ「覚醒」の時!? 人気馬をアテにしづらいハンデ戦、実績ありでも軽視されている穴馬で万馬券を狙う
京都・芝2400mに帰ってきた日経新春杯
今回はこの時期の京都名物となっている伝統のハンデ長距離重賞、日経新春杯(G2)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。21年から昨年までは中京2200mと施行条件が大きく替わっているが、前走傾向に差がないのでまとめてみていく。
菊花賞、オリオンS(3勝クラス) 各4頭
グレイトフルS(3勝クラス) 3頭
日本ダービー、金鯱賞、愛知杯、中日新聞杯 各2頭
有馬記念、ジャパンC、アルゼンチン共和国杯、札幌記念、ステイヤーズS 各1頭
リステッド 1頭
オープン特別 1頭
条件特別(3勝クラス) 2頭
条件特別(2勝クラス) 2頭
となっている。
G2で格式も高い重賞なので、前走レベルの高さはなかなかのもの。ただ、金鯱賞(G2)は春に、愛知杯(G3)はこのレースと同じ週に開催されるので、前走検討からは除外していいだろう。主要なG1から転戦してくる馬が好走する一方で、ハンデ戦ということもあって条件戦からの好走も目立つ。3勝クラスではなく、2勝クラスからの格上挑戦でも通用するケースがあったので、前走の内容やここまでの戦績を含めて検討する必要がありそうだ。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 3-3-0-4
2番人気 4-1-0-5
3番人気 1-0-1-8
4~6番人気 1-3-5-21
7~9番人気 1-0-3-26
10番人気以下 0-3-1-54
となっている。
3番人気の不振は酷いが、1番人気、2番人気も五分といったところ。これが近5年に絞ると、1~3番人気は2頭ずつと結果が残せていない。施行条件が違った近3年の方がより荒れる傾向にあったが、改修前の京都でもそれほど平穏に収まっていない。
数字では中穴人気が健闘しているように見えるが、近5年では7番人気以下の人気薄の激走が目立ち、5頭が該当する。うち3頭は10番人気以下。ただ、中京開催時の結果にやや偏っているので、穴狙いばかりでも的中しにくいかもしれない。
本命は潜在能力が光るリバティアイランド世代の実績馬
これを踏まえて「◎」はいきなり穴馬だが12番シンリョクカとする。
前走はエリザベス女王杯(G1)。中枠からすんなりスタートを切ると、ポジションを下げて中団後ろ目につけて追走。前は離して逃げていたが、ペースはスローで淡々と流れていき、直線に向くと先行勢が早々に脱落し、中団の馬が殺到して追い比べに。この馬も伸びてはきたが、大激戦の中9着にとどまった。
勝ち星は新馬戦のみのこの馬だが、続く阪神ジュベナイルF(G1)2着、オークス(G1)5着など大舞台でそれなりの結果を残してきた。馬がズブくなりつつあるのか、乗り手の問題なのか、新馬戦では上がり33.4秒の見事な切れ味を披露したものの、その後は切れる脚も鳴りを潜めている。
とは言え、新馬戦の後はG1を4戦、G2を1戦とレベルの高いレースばかりに出走してきたのは確か。今回もG2戦でさらに新馬戦以来の混合戦ということで、ハードルは高くなったように見えるが、ハンデ戦だけにG1好走歴がありながら53kgと前走から1kg減、他馬と比べてもかなり恵まれた。
牝馬の出走自体が少ないレースなので、好走も少ないのだが、ないわけではない。勝ち負けまでないとしても、軽ハンデを利して3着内にねじり込む可能性は十分ある。本来的な本命の付け方ではないが、馬券になる可能性が高いという意味で本命としたい。
「○」は穴人気しそうだが、8番のブローザホーンを挙げたい。
前走は京都大賞典(G2)だったが、レース中に心房細動を発症して競走中止となっている。今回はそこからの休養明け、立て直しの1戦となる。
そこに至るまでの戦績はなかなかのもので、昨年春に2勝クラスを脱出して、3勝クラスも連勝でオープン入り。初重賞となった函館記念(G3)でも3着と気を吐いた。2走前の札幌日経オープン(L)は1番人気に応えて6馬身差をつけて圧勝するなど、勢いに乗っての前走だったので、無事に走り切れていれば、という感じはある。
一頓挫あったにせよ、勢いに乗った馬というのはそこを乗り越えてしまうことが多いもの。鉄砲駆けの実績もある上に、ハンデは据え置きになった。近5年で好調な5枠を引いたこともあり、復活の好走があっても不思議ではない。
「▲」は人気薄の11番ヒンドゥタイムズを推す。
前走はこちらも京都大賞典で、重馬場でペースも遅い中、中団より後ろ目につけて追走。直線で伸びて追い比べになったが、前の馬に及ばず4着に終わった。
昨年の冬に小倉大賞典(G3)で重賞初制覇を飾ったものの、続く3戦がいずれも馬券圏外で見せ場なし。昨年最後のレースになった前走で4着と掲示板に載るところまで調子を戻してきたと見ている。
以前は中距離を中心に使っていたが、年齢を重ねてズブくなってきたところがあり、今はもう少し距離が長い方が合っていると陣営からのコメント。中間の気配も衰えを感じさせないが、ハンデが見込まれたので、他馬との差が気になるところ、とやや弱気である。
陣営の言う通り、以前は確かな切れ味もあったので、中距離で好走を重ねたこともあったが、現状は抜け出してから押し切る競馬に変わっている。同じ舞台を走った前走は重馬場で2分25秒台の時計を出しているが、改装前の京都開催だったこのレースでは2分26秒台が平均的な勝ちタイム。それより速い時計が出る可能性は十分あるが、京都2400mは京都大賞典で2年連続4着しているように、相性は決して悪くない。
確かにトップハンデと見込まれた感はあるが、ハンデキャッパーがメンバー中で実力が一枚上と見込んだ証拠でもある。今回は鞍上がA.ルメートル騎手に乗り替わりということもあり、狙いとして面白いと考えて押さえてみたい。
「△」は穴馬3番のインプレスと人気の一角13番サヴォーナの2頭とする。
インプレスの前走はジャパンC(G1)で、後方待機策を採って直線にかけたものの、流れが速かった上に、上がり勝負になってしまって歯が立たず13着に大敗している。
一昨年の秋に3勝クラスを脱出してオープン入りしたが、オープンでは結果が残せず、3走前の新潟記念(G3)3着が目立つ程度。だが、その後の2戦は重馬場に泣かされたのと、G1では荷が重すぎたことと敗因は割とはっきりしている。
そう考えると、新潟記念の3着は馬の調子が上がってきた証拠ではないかと思える。今回は3走前に重賞3着があるにもかかわらず、前走から2kg減。今回のメンバーで重賞勝ちのない馬で57kgを背負わされる馬が多い中、1kgでも恵まれたのは大きいだろう。
3枠もこのレースでの成績がいい好枠。一発を期待できると見て押さえておきたい。
サヴォーナの前走は菊花賞(G1)で、後方待機策から道中でポジションを上げていき、直線で追い比べになるかと思いきや、余力がなく5着が精一杯だった。
菊花賞5着は立派なものだが、ここまで大崩れしていないのがこの馬のポイント。着外は4回あるが、うち3回は掲示板を確保しているので、相手なりに走るタイプではないかと見ている。
陣営はスタートが速くないので後手に回ってしまったが、それでも5着に踏ん張ったと前走を高評価。最終追い切りの動きは抜群で、何とかタイトルを獲りたいところと色気を見せている。
今回は切りにする隣のサトノグランツは重賞2勝馬だが、菊花賞でこの馬に大きく後れを取っている。それでありながら、ハンデで1.5kgの差があるのは大きいだろう。重賞未勝利でも、こちらの方に触手が伸びるというもの。
ただ、過去10年で21頭が該当し、3着内の好走ゼロという「死に枠」の8枠に入ってしまったのが懸念点であり、同時に割引点でもある。
ということで、今回は3番、8番、11番、12番、13番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。人気馬を押さえた一方、それ以外は人気薄を狙い撃ちしたので、その辺が激走すれば万馬券も見える。
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