JRAメールドグラース豪G1圧勝も「日本のOP」レベル!? 2014年以来、5年ぶり歴史的勝利も「快挙じゃない」冷ややかな声も

モノが違った。
19日に豪コーフィールド競馬場で行われたコーフィールドC(G1)は、日本から参戦したメールドグラース(牡4歳、栗東。清水久詞厩舎)が優勝。国内と合わせて6連勝の快進撃が続いている。
18頭で行われた芝2400mのレース。最後の直線で、後方から外に持ち出されたメールドグラースの末脚が爆発。豪快にライバルたちを飲み込むと、最後は2着ヴァウアンドディクレアに1馬身差をつけてゴール。2014年のアドマイヤラクティ以来、5年ぶりの日本馬勝利を飾った。
「強い競馬でしたね。着差こそ1馬身でしたが、圧勝といえる内容だったと思います。本馬にとっては、初の海外遠征となりましたが、レース前に清水(久詞)調教師が『このまま何事もなく無事にゲートインしたい』と話していた通り、順調にここまで運べたチームの勝利だと思います。
短期免許で、日本でもコンビを組んだD.レーン騎手をチョイスできたのも大きな勝因ですね」(競馬記者)
次走は未定だが、今回2400mをこなした点も大きいという。今の充実度ならジャパンC(G1)に出走しても有力馬の一角に名を連ねそうだ。
だが、そんな歴史的快挙に冷ややかな声もある。
「近年のオーストラリアは短距離が中心視されており、スプリント路線は間違いなく世界トップレベルですが、一方でマイル以上の中長距離路線のレベルは疑問視されています。
もちろん、慣れない異国の環境で結果を残した事実は称賛されるべきだと思いますが、一部の関係者からは『これで種牡馬価値が上がるかと言われれば疑問』との声も……。2000mの重賞を3連勝しているだけに、来週の天皇賞・秋(G1)に出てほしかったという声も大きいですね」(競馬記者)
実際に今年の4月には豪州の歴史的名馬ウィンクスに、日本ではG1の壁に跳ね返され続け豪州に遠征したクルーガーが1馬身半差に迫る大健闘。豪州最多連勝記録となる33連勝、世界最多勝利記録のG1・25勝の「豪州の女王」に「日本のG2ホース」が食らいついた結果には、日本の競馬ファンの多くが首を傾げた。
「今回の勝利には、ネット上からは『相手が弱い。勝って当然』『豪州G1は日本のリステッド(OP)競走レベル』『これは別に快挙じゃない』という冷静な意見も。
来週には宝塚記念(G1)を勝ったリスグラシューが、豪州の中距離王決定戦コックスプレート(G1)に挑戦しますが、日本の馬券投票では絶対的な大本命になる可能性がありそうです」(別の記者)
近年は日本で頭打ちになった馬が、新天地を求めて豪州に移籍するケースが増えている。どの外国で勝っても同じ海外G1勝利には違いないが、世界競馬の情報が日常的に入るようになった昨今、海外G1制覇の快挙にも明確な“格差”が生まれているようだ。
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