
JRAマヤノトップガン死す「ナリタブライアン伝説の阪神大賞典」「3強の天皇賞・春」競馬界に確かな足跡

11月5日、JRAはG1・4勝をあげたマヤノトップガンが、老衰のため3日に死去したと発表した。27歳だった。
マヤノトップガンは95年の菊花賞(G1)で、好位から早めの仕掛けを見せて勝利。牝馬ながら牡馬重賞に挑戦したダンスパートナー、ダービー馬タヤスツヨシを抑えて、重賞初制覇を達成した。そして有馬記念(G1)に出走すると、6番人気ながら一世一代の逃げを打ち、ヒシアマゾン、ナリタブライアンら有力年長馬を相手に大金星をあげる。
96年は阪神大賞典(G2)から始動するも、ナリタブライアンに競り負けて2着。この一戦は「伝説のG2」や「土曜日史上最高のレース」とまで称され、長らく競馬ファンの語り草となった。続く天皇賞・春では5着に終わったものの、ライバル不在と言われた宝塚記念(G1)を、好位追走からそのまま押し切る強い内容で勝利。重賞3勝目をあげた。このまま充実の秋を迎えるかに思われたが、天皇賞・秋(G1)はバブルガムフェローに0秒1差の2着。昨年優勝馬として臨んだ有馬記念では、2番人気ながら7着と期待を裏切る結果に終わっている。
そして翌年は、前年同様阪神大賞典で始動。後方から脚を伸ばして2着に3馬身半差をつけて勝利し、前年5着に終わった天皇賞・春に向かった。ここでは有馬記念を勝ち、前年のこのレースの覇者サクラローレル、無冠の帝王と呼ばれG1初制覇を狙うマーベラスサンデーとの三つ巴の闘いとなった。最後の直線でサクラローレル、マーベラスサンデーが抜け出す。この2頭の一騎打ちになるかと思いきや、後方で脚をためていたマヤノトップガンが上り34秒2の脚を使い、2頭を交わして優勝。ライスシャワーの記録を2秒7も更新する、当時の世界レコードを樹立してみせた。
その後ジャパンC(G1)を最終目標に調整が進められるも、屈腱炎を発症。引退し、種牡馬入りを果たす。種牡馬としては。2003年のステイヤーズS(G2)などを勝ったチャクラ、東海S(G2)、エルムS(G3)などの勝ち馬メイショウトウコン、東京ハイジャンプ(J.G2)を勝ったデンコウオクトパスら重賞勝ち馬も輩出。だが、産駒にG1勝ち馬が現れないまま、15年5月に種牡馬としても引退を発表していた。
21戦8勝のうち、勝ち星の半分がG1レースというスケールの大きい馬だった。冥福を祈りたい。
PICK UP
Ranking
11:30更新「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
JRAが主導する”大改革”で超一流ベテラン騎手が「騎乗馬なし」の異常……競馬界の水面下で今、一体「何」が起こっているのか?
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- キタサンブラックは「本当に落鉄していた」のか? 決定的な「証拠写真」と共に3つのメディアが示した見解と真相
- 成績低下のM.デムーロ、三浦皇成に「不穏」な噂…腕だけなく馬質も重要な騎手業、彼らが不満を隠せなかった「決定的な理由」とは
- JRA・M.デムーロ「新築豪邸欠陥トラブル」? オークス勝利も屋上プールの水漏れが深刻。修理資金はダービーで稼ぐ?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
関連記事
『伝説の阪神大賞典(G2)』――ナリタブライアンVSマヤノトップガン。激突した2人の「天才」だけが知る名勝負の「真実」
JRAエリザベス女王杯(G1)「スミヨン×ラッキーライラック」で一変!? 実力上位もちぐはぐなこの1年
JRA・M.デムーロ「飛行機ポーズ」不発にガックリ!? JBCクラシック(G1)「勝利確信」約2年ぶり復活もハナ差2着で“エア”フライトに……
JRA戸崎圭太「落馬」「右肘の開放骨折」疑いで長期離脱確実か。JBCレディスクラシック(G1)で落馬負傷に川田将雅も「心配」
武豊「交流G1完全制覇」の大偉業達成! 「間に合って良かった(笑)」米ブリーダーズC参戦からの強行軍でJBCレディスクラシック制覇