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大混戦に「色めき立つオトコたち」高松宮記念(G1)は馬でなく「人間ドラマ」に注目か!?

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shiihirofumi0326.jpg四位洋文騎手(Cake6より)

“人生初のG1″で快挙を目論んでいるのは、新鋭の鮫島克駿騎手も同様だ。昨年39勝を挙げて新人王を獲得した競馬界のホープが、いよいよG1の舞台に殴り込みをかける。

 兄・良太もJRAで活躍する騎手。さらに父・鮫島克也は地方競馬を代表する騎手で、全国の地方競馬に所属する騎手の年間最大のタイトルNRA(地方競馬全国協会)グランプリ優秀騎手賞を11回も受賞。つまり克駿騎手は、武豊騎手や福永騎手と同じ「騎手界のサラブレッド」というわけだ。

 今年すでに13勝と、昨年を上回るペースで勝ち星を重ねてきたところに巡ってきたG1初挑戦のチャンス。相棒のスギノエンデバーは格下の評価を受けているが、昨年のスプリンターズS(G1)では、勝ったストレイトガールに0.5秒差。展開次第では上位進出もあり得る差といえるだろう。G1初騎乗初勝利の偉業に向け”良血”の鮫島克駿騎手が燃えている。

 ただ、今回の高松宮記念で誰よりも”一発に燃えている”のは四位洋文騎手かもしれない。すでにウオッカやディープスカイを始め数々の大レースを制している四位騎手だが、昨年は新人の鮫島克駿騎手に劣る35勝と近年は低迷。今年も現在3勝と苦戦が続いている。

 それも数少ない有力お手馬だったディサイファが手元を離れた今、頼りになるのはここでコンビを組むウキヨノカゼだ。昨年のスプリンターズSを3着とチャンス十分の相棒だが、逆にいえば「ここでダメならサヨナラ」もあり得るだけに四位騎手も気が気ではないだろう。ピンチをチャンスに替えたいところだ。

“ピンチをチャンスに替えたい”気持ちでは勝浦正樹騎手も同じだ。中京競馬場での経験と実績を買われて巡って来たサクラゴスペルは、昨年のスプリンターズSの2着馬。今やすっかり中堅が板についてしまった勝浦騎手が、G1で格上の馬に乗れることはそう多くないだけに「大きなチャンス」と気合十分。勝っても勝っても人気にならない地味コンビが一発を狙っている。

 エイシンブルズアイとコンビを組む石橋脩騎手も、当然ながら気合十分だ。前走オーシャンS(G3)では相棒を初重賞制覇に導き、スプリントG1戦線に名乗りを上げた。石橋騎手自身、今年まだ9勝だが、その内2勝が重賞と持ち前の勝負強さが光っている。前哨戦の勢いに任せて、一気に頂点へ登り詰めたいところだ。

 それにしても四位騎手はともかく、松山騎手に中井騎手、鮫島騎手、さらには勝浦騎手と石橋騎手……並べれば並べるほど”ローカル臭”が漂うのだが、何を隠そう高松宮記念自体がJRA唯一のローカルG1なのだから、ある意味「お似合い」とも言えるのか。

 いずれにせよ希望に野望、大出世から死活問題までが絡み合う”複雑な人間模様”を孕んだ尾張の電撃決戦。果たして、どの騎手に勝利の女神が微笑むのか……今回は馬だけでなく、その上に乗る「人」にも注目したい。

 ただ、そんなこんなで結局勝つのがアルビアーノ騎乗のC.ルメール騎手だったりするのが、今の競馬なのだが……。

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