JRA「引退間近」蛯名正義「17年越しの悲願」スルリ……全10場重賞制覇へ「無念すぎる」デンコウアンジュの愛知杯(G3)勝利
先週の愛知杯(G3)は9番人気の伏兵デンコウアンジュ(牝7歳、栗東・荒川義之厩舎)が優勝。今年54歳になる大ベテラン柴田善臣騎手の技が光った一戦で、同騎手は小倉重賞初制覇。JRA全10場重賞制覇まで函館を残すのみとなった。
「嬉しいです。小倉で初めて重賞勝たせていただいてありがとうございます」
武豊騎手や横山典弘騎手を始め、歴代のJRA騎手でも、わずか5人しかいない全10場重賞制覇は、騎手にとって紛れもない大きな勲章だ。
そんな大記録に柴田善騎手は現役7人目としてリーチを掛けたわけだが、実はその裏で悔しい思いをしている騎手がいる。
昨年12月に落馬し、右踵骨粉砕骨折と診断された関東の名手・蛯名正義騎手だ。
「実はデンコウアンジュは当初、蛯名騎手が騎乗する予定だったんですよ。ただ、昨年末に落馬してしまい、現在は長期休養中です。
蛯名騎手といえば全10場制覇に小倉を残すのみ。もう10年以上前から、チャンスがあれば小倉の重賞に積極的に乗りに行くなど、強い意欲を見せていました。
奇しくも、京都競馬場の改修工事の影響で、今年の愛知杯は小倉開催。柴田善騎手のファインプレーがあったものの、1着でゴール板を駆け抜けたデンコウアンジュの姿には、蛯名騎手も思うところがあったんじゃないでしょうか」(競馬記者)
武豊騎手の同期として、数々のビッグタイトルを獲得している蛯名騎手。しかし、近年は成績が下降……2年連続で調教師試験を受験するなど、すでにセカンドキャリアに向けて動き出している。
そんな蛯名騎手にとっては、極めて貴重な小倉での重賞騎乗機会。今回こそデンコウアンジュで念願の全10場重賞制覇を決めたかったのは間違いないだろう。
2003年にリーチを掛け、17年間も“足踏み”が続いている蛯名騎手。これでまでもエイシンドーバーやコスモファントムなど関西馬にも積極的に乗りに行き、2度の1番人気があったが、小倉での重賞タイトルには手が届いていない。
「具体的な復帰時期は未定ですが、幸い今年のダービーには間に合いそうなので、できるだけ早く復帰できるように頑張ります」
右踵骨粉砕骨折という重傷を負いながらも、悲願のダービー制覇へ思いを新たにしている蛯名騎手。残された時間はあまり多くはないかもしれないが、「2つの悲願」を達成してフィナーレを迎えてほしいところだ。
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