川崎記念(G1)JRAチュウワウィザード「6馬身差圧勝」乗り替わり効果抜群
1月29日、前日の雨とは打って変わって好天で行われた第69回川崎記念(G1)は、川田将雅騎手騎乗の1番人気チュウワウィザード(牡5、栗東・大久保龍志厩舎)が、2着ヒカリオーソ(牡4、川崎・岩本洋厩舎)に6馬身差をつける大楽勝。勝ちタイムは2分14秒1(不良)。
3着にデルマルーヴル(牡4、美浦・戸田博文厩舎)が入り、2番人気ケイティブレイブ(牡7、栗東・杉山晴紀厩舎)は6着に終わった。
チャンピオンズC(G1)では4着に敗れたが、上り調子の5歳馬がここでは役者の違いを見せつけた。
この日の川崎競馬は、前日の雨の影響でダートは不良のコンディション。1Rから好位で競馬した馬が、前残りで穴をあける傾向が目立っていた。
チュウワウィザードは大外となる12番から抜群のスタート。ハナを主張した1番ケイティブレイブが先頭に立ち、これについていったミューチャリーが2番手、チュウワウィザードは2頭をいったん先に行かせて好位の外目3番手をキープ。その後を3番アナザートゥルース、4番デルマルーヴル、2番ミツバが追走。
直線を待たずに3コーナー過ぎから早々と手応えが怪しくなったケイティブレイブ、ミツバに対し、外からデルマルーヴルが早めに勝負に出る。しかし、絶好の手応えで追走していたチュウワウィザードが川田騎手の仕掛けにすぐさま反応、前を行く馬たちに一気に襲い掛かった。
ケイティブレイブを競り落として懸命に粘りこみを図るミューチャリーを尻目に、直線入り口では早くも先頭に立ち、後は突き放す一方。そのまま楽な手応えでゴールを駆け抜けた。
また、川田騎手の冷静な判断も光った。前走のチャンピオンズC(G1)では、自身は2番人気クリソベリルで優勝。同レースでチュウワウィザードは前が壁となり4着に終わったが、JBCクラシック(G1)で同馬に騎乗していた川田騎手もその力はわかっていたことだろう。アクシデントさえなければ負けないとばかりに、いつでも抜け出せるよう細心の注意を払った騎乗がうかがえた。
レース後のコメントでも「いい隊列でリズム良く走れていた。1頭になってからは遊ぶ面をケアしながら。精神的に幼い面を出してしまった。もう少しだけ大人になれば」と振り返った。
今回のワンサイドゲームで、次走はどのレースを使ってくるのか注目されたが、管理する大久保龍志調教師は「選出されればドバイに行く」と明言。フェブラリーSの見送りは既定路線で、今年3月のドバイワールドC参戦の可能性も出てきた。
チュウワウィザードは父キングカメハメハ×母チュウワブロッサム、母父デュランダルという血統。川崎記念の勝利で昨年11月のJBCクラシックに続くG1・2勝目を飾った。通算成績は15戦9勝。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛