JRA「勝ち馬が強過ぎた」武豊も白旗!? デアリングタクトがエルフィンS圧勝で打倒レシステンシアに名乗り
昨年の最優秀2歳牝馬、レシステンシア(牝3歳、栗東・松下武士厩舎)に新たなライバル登場だ。
2月8日、桜花賞(G1)を目指す12頭で行われた土曜京都10RエルフィンS(L・OP)は、松山弘平騎手の3番人気デアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が後方からレースを進めると、直線は大外を伸びて武豊騎手の2番人気ライティアに4馬身差をつける圧勝を決めた。
まさにワンサイドというべき勝ちっぷりだった。逃げたグリンデルヴァルトが刻んだ前半3Fは34.7、デアリングタクトは後ろから外目の4番手を追走。直線でも後方3番手のままだったが、松山騎手が大外に進路を取って促すと、必死に食い下がるライティアを尻目に、軽く気合をつけただけで瞬く間に突き抜けてしまった。
先頭に立ってから松山騎手はほぼ流したままで、手応えにはまだまだ余裕が残っていた。3F34.0の上がりはもちろん出走馬1位で、2位のライティアが34.9なのだから、0.9秒も開けば千切られてしまうのも仕方がない。
松山騎手が「非常に強かったです。新馬戦で切れる脚が使えるのは分かっていました。すごく良い脚を使ってくれて、余裕もありました」と振り返れば、2着に敗れたライティアの武豊騎手も「良い感じで運んでいましたが、勝ち馬が強すぎました」と完敗を認めるコメントをするしかなかった。
現在の時計の掛かっている京都の芝を考えると1:33.6の勝ち時計は抜けて速いといえる。同じ京都・芝1600mの重賞である京都金杯(G3)のサウンドキアラが1:34.0(上がり3F34.6)、シンザン記念(G3)のサンクテュエールは1:35.9(上がり3F35.5)に過ぎない。
前述2つがAコースでエルフィンSがBコースという違いはあれど、3歳牝馬が2月上旬のこの時期に古馬重賞より優秀な内容で勝利したことは特筆すべきことである。
当然ながら今年行われた京都芝1600mのレース全体でも勝ち時計は最速。京都8Rの4歳1勝クラスの時計が1:33.8と0.2秒差だったこともあり、手放しでは褒められないものの、余裕のある走りからまだまだ大きな伸びしろを期待できそうだ。
ひとまずはエルフィンSの過去10年を遡っても、最速が11年マルセリーナの1:34.4なのだから、デアリングタクトの1:33.6は素直に評価したいところ。
血統的に母母が2005年の桜花賞を3着、NHKマイルCで2着した(いずれも1着ラインクラフト)デアリングハートということもあり、距離はマイルがベストかもしれないが、父がエピファネイアなら2000mくらいまでは融通が利きそうだ。
2歳女王レシステンシアにとってはスカイグルーヴ(京成杯2着)に続き、同じエピファネイア産駒から非常に強力なライバルが出現したといえるだろう。
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