
JRAクラブ法人ニューワールドレーシング「資金繰りがしんどい……」起死回生の“マイナー路線”転向へ
9日、クラブ法人の「ニューワールドレーシング」が「京都ホースレーシング」に改称すると発表された。14年に京王杯2歳S(G2)を勝ったセカンドテーブルらを所有する山上和良氏が代表を務めることになるという。
「ニューワールドレーシング」はオーストラリアのオールエイジドS(G1)を勝利したハナズゴールなど、所有馬にハナズの冠名をつけていたマイケル・タバート氏が創立。競走馬の産地として知られている北海道の日高地方の活性化をコンセプトとし、「入会金無し、月会費無し、賞金手数料無し」、さらに育成開始から引退まで会員に情報を伝えるなどを売りにして、会員を集めていた。
だが参入初年度は2着が1度あったものの、未勝利。2年目は2勝をあげ、所有馬のラシェーラがローズS(G2)に出走するなどトピックはあったものの、苦戦が続いていた。
今回、助け舟を出した山上氏は、クラブの公式HPに経緯を詳細に綴った記事をアップ。これによれば、昨年12月26日にマイケル氏より「先生、資金繰りがしんどいので、助けてもらえませんか?」と連絡があったという。これまで経営内情は知らなかったものの、クラウドファンディングで行った「リヤンドファミユ種牡馬入りプロジェクト」を通じて、一口馬主クラブを作れないかと模索していたこともあり、支援することを決断。抜本的な経営改革に乗り出し、クラブの立て直しを図ることにしたそうだ。
このリニューアルを機に、大々的なキャンペーンを行うといい、その第一弾としてオルフェーヴルの全弟であるリヤンドファミユを父に持つ「ネオザスティングの2018」の馬代金無料(500口)を実施。さらに山上氏は「スポーツ報知」の取材に対し、今後は3歳クラシックを狙う王道路線から、短距離やダートを専門にする路線へと変更、また採算を抑えるべく、これまでは40口がほとんどだった募集を500口まで増やすと明かしている。これら以外にも多くの施策が行われる予定なので、興味がある方はHPを一読することをおすすめする。
現在、日本の競馬界はノーザンファーム系列が席巻している。だが、ダートや短距離路線ではその限りではなく、昨年も芝のマイル、1800m、2000mではそれぞれ100勝をあげているものの、短距離では勝数、出走回数がともに半分近く減少。またダートでもその傾向が出ている。ノーザンファーム系列があまり重視していないこれらの路線に、「京都ホースレーシング」が活路を見出そうとするのも当然だろう。
これからも新しい動きを見せるだろう「京都ホースレーシング」。リニューアル後の巻き返しに期待したい。
PICK UP
Ranking
5:30更新「面白いこと教えてやるよ」横山典弘、打倒ソールオリエンスに手応えアリアリ!? 馬券に絡んだのはすべて内枠。「父兄参観」と揶揄された2年前とは一変
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
田辺裕信「2歳新馬」お断り!? 未だ騎乗ゼロに隠された真意
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 武豊命名「5爺」に激震走るナンバー3の卒業…有馬記念でメジロマックイーンを撃破、迫られる「欠員補充」の最有力候補とは
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……