
JRA武豊が自画自賛した名牝。 チューリップ賞(G2)「オープン時代」の勝ち馬ベガの軌跡を辿る
桜花賞を勝った時点で2冠を確信するファンは多かった。オークス(G1)でも1番人気。続いてマックスジョリー、桜花賞2着のユキノビジンが3番人気と評価を上げていた。オークスでは4番手と、これまでより少し下げたところでレースを進め、4角で2番手に進出。同じく2番手に上がってきたユキノビジンと競り合う形で直線に入り、1馬身3/4差と桜花賞より着差をつけて2冠目をもぎとった。
オークスの出走時点で体調を落とし、一時は2冠を危ぶむ声があったのも事実。だが、当日にはすっかり体調を戻して、桜花賞より強い勝ち方をした。この後、フランスのヴェルメイユ賞への出走プランもあったが、厩舎に戻る時点で歩様の乱れを見せ、社台ファームへ放牧。さらに放牧先で筋肉痛の症状を出したことでヴェルメイユ賞挑戦プランは撤回された。
社台ファーム早来へ移動したが、そこで人間の深爪にあたる釘傷を発生させてしまい、牝馬3冠目のエリザベス女王杯(当時は4歳牝馬限定戦・G1)への出走が危ぶまれた。それでも回復を見せ、トライアルを使わず直行するプランが採られた。迎えた当日、1番人気は上がり馬のスターバレリーナに譲り、2番人気に甘んじた。
しかし、レースを勝ったのはこの両馬ではなく、同じ「ベガ」の名前を冠するホクトベガだった。杉本清アナウンサーの「ベガはベガでもホクトベガ」は名調子として語り継がれているが、ベガは3着に終わった。
この後、有馬記念(G1)、産経大阪杯(現在の大阪杯・G2)、宝塚記念(G1)と使われるが良績を残せず、宝塚記念で骨折が判明して引退となった。
引退後、初年度はサンデーサイレンスと交配され、ダービー馬アドマイヤベガを輩出。3頭目の産駒アドマイヤドンはフェブラリーS(G1)や帝王賞(G1)などダートG1を6勝する活躍を見せた。
さらにアドマイヤベガからは桜花賞を制したキストゥヘヴン、マイルCS(G1)を制したブルーメンブラッドが、アドマイヤドンからはステイヤーズS(G2)3連覇のアルバートが出ており、名牝の血は脈々とつながっている。
PICK UP
Ranking
23:30更新「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
「面白いこと教えてやるよ」横山典弘、打倒ソールオリエンスに手応えアリアリ!? 馬券に絡んだのはすべて内枠。「父兄参観」と揶揄された2年前とは一変
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- 田辺裕信「2歳新馬」お断り!? 未だ騎乗ゼロに隠された真意
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA池添謙一「2度結婚」「DV不倫」よりも紆余曲折の騎手人生。オルフェーヴル三冠→外国人で凱旋門賞、勝負強さは当代随一だが……
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 武豊命名「5爺」に激震走るナンバー3の卒業…有馬記念でメジロマックイーンを撃破、迫られる「欠員補充」の最有力候補とは
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
関連記事
JRA秋華賞(G1)武豊「25年前の屈辱」再現に燃える!? “低レベル”ローズS覇者カンタービレは「第2のホクトベガ」になれるか
JRA最強女王アーモンドアイ「秋華賞直行」に不安の声。武豊が泣いた「ベガはベガでも……」伝説再現へ、逆転筆頭は「アノ馬」?
武豊騎手が語る「桜花賞ベストレース」は”伝説”の出遅れ勝ちでなく「あの名牝」の地味レース?天才が重要視する偶然ではない「必然」のプロセス
武豊騎手に春2冠ベガ以来の大チャンス!「No.2」の”汚名”返上へリスグラシューがチューリップ賞(G3)で思い出しておきたい「感覚」とは
JRA武豊に「good job!」。フルフラット世界制覇の「舞台裏」で見せた“緊急対応”を世界が絶賛!