JRA大阪杯「関東馬20連敗」の傾向は今年も? ブラストとダノンは大丈夫か……過去の傾向から浮上する「意外な激走馬」とは
当サイトでも何度か紹介しているが、大阪杯は関東馬にとって鬼門のレースだ。G2時代を含めて現在20連敗中で、グレード制ができた1984年以降まで遡っても、サクラユタカオー、タイキブリザード、サイレントハンターのわずか3勝しかしていない。最後に勝利したのは1999年のサイレントハンターだが、2000年以降のべ48頭の関東馬が出走し、すべて敗退している。
今年の大阪杯はブラストワンピース、ダノンキングリー、ジナンボー、サトノソルタスと4頭の関東馬が出走。中でもブラストワンピースとダノンキングリーは上位人気必至の有力馬だ。過去20年の“呪い”を払しょくできるか、それとも同じ運命をたどるのか。過去の関東馬のデータから探ってみた。
この48頭を見てみると、実績も成績も厩舎も騎手もバラバラ。重賞2連勝で挑んで敗退したアメリカンボスや、天皇賞(秋)優勝馬スピルバーグであっても牙城は崩せていない。しかし勝利まであと一歩、2着に好走した6頭に関してはそれなりの統一性が見られた。その傾向は以下の通り。
(1)関西への遠征経験がある
(2)芝1800~2200mで2勝以上
(3)芝2000m以上で勝利
(4)全3勝以上
(5)前走の馬体重はプラスマイナス8㎏以内
(6)前走5着以内
(7)外人騎手か関東所属騎手からの乗り替わり
(8)前走は12~2月のレース
(9)上がり最速か2位で勝利が2度以上
(10)馬体重476㎏以上
以上の要素はいわゆる「経験、実績、鞍上、距離適正、素質、レース間隔」だろう。しかし、今年の関東馬4頭でこの10個すべてに該当するのはゼロだ。
まずダノンキングリーは4つ足りない。芝2000m以上で勝利がなく、前走は3月のレース、前走に続いて横山典弘騎手が騎乗なので、ここは乗り替わりではない。そして450㎏台の馬格もマイナス。
ブラストワンピースは2つ足りない。前走に続いて川田将雅騎手が騎乗なので、乗り替わりではないのは減点。さらに前走は凱旋門賞前の札幌記念よりプラス10kg。成長分とも判断できるが、データ的にはマイナスだ。
サトノソルタスは5つ足りない。関西への遠征経験がなく、全2勝も足りず、乗り替わりも無し、前走は3月のレースでローテーションもアウト。そして上がり最速での勝利実績もない。
ジナンボーは2つ足りない。小倉遠征の経験はあるが、関西への遠征経験がないのは残念。さらに前走プラス20㎏も減点と言わざるを得ない。
結果的に4頭すべての関東馬が条件を満たせなかったが、その中でも魅力的なのは減点2で済んだジナンボーか。関西への遠征経験がないが、小倉で結果を残しており、前走プラス20㎏もここ最近の成長を見れば、むしろ頼もしい。
ディープインパクト×アパパネという三冠配合の超良血馬が、2度目のG1挑戦でついに本格化するか。20連敗中の関東からの刺客は、意外な伏兵かもしれない。
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