
JRA皐月賞(G1)に「サドラーの法則」!? テイエムオペラオー以来21年……「運命」に導かれたように登場した「あの馬」が波乱の主役に
1994年、後に「シャドーロールの怪物」と呼ばれる三冠馬ナリタブライアンが皐月賞(G1)を圧勝し、3歳牡馬クラシックは新時代を迎えた。種牡馬界にはサンデーサイレンス、ブライアンズタイムという二大巨頭が君臨。やがて、それらと入れ替わるようにディープインパクト、キングカメハメハの産駒が牡馬クラシックを勝ちまくった。
実際に、皐月賞の近10年を振り返っても10頭の皐月賞馬の内、9頭がサンデーサイレンス、もしくはキングカメハメハの血を父に持っており、キングカメハメハ×サンデーサイレンスという2015年の勝ち馬ドゥラメンテなどは、その象徴的存在といえるだろう。
だが、そんな独占的支配の中で唯一、並居る良血馬をなぎ倒し“風穴”を開けた馬がいる。2013年の勝ち馬ロゴタイプだ。
ロゴタイプの父ローエングリンは血統こそ一流だが、G1勝ちがない種牡馬。しかし、そんなマイナー種牡馬でも突如として大物を輩出してしまうのは、ローエングリンに流れる「サドラーズウェルズの血」が成せる業ではなかろうか。
1990年からイギリス・アイルランドの種牡馬リーディングサイアーを10年間保持したサドラーズウェルズは、欧州競馬で伝説的な種牡馬だ。日本の競馬を変えたのがサンデーサイレンス系なら、欧州の競馬に革命を起こしたのは、紛れもなくこのサドラーズウェルズ系だろう。
残念ながら日本では馬場の違いもあり、欧州のような存在感を示すことはできなかったサドラーズウェルズ。だが、ことサンデーサイレンスやキングカメハメハの支配が続く「皐月賞」を振り返ると時折、その血が脚光を浴びている。
冒頭で触れたナリタブライアンの1994年以降、サドラーズウェルズの系譜を継ぐ産駒が皐月賞を勝ったのは1999年のテイエムオペラオー、2006年のメイショウサムソン、そして2013年のロゴタイプだ。
ちなみに1993年から26年間、冒頭で触れた4頭の種牡馬の系統にない皐月賞馬は、4頭しかいない。その内の3頭がサドラーズウェルズ系であることを考えれば、これは「奇跡的」といえる事象だ(ちなみに残る1頭はシェリフズスターを父に持つセイウンスカイ)。
しかも、1999年のテイエムオペラオー、2006年のメイショウサムソン、そして2013年のロゴタイプは「7年周期」で皐月賞を制している。ここまで言えば、何が言いたいのかわかるだろう。
そう、今年こそがローエングリンから、ちょうど7年目なのだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新引退・種牡馬入りが一転して現役復帰!? 数奇な運命をたどることになった競走馬たち
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 「元イエスタカス」ダッシングブレイズ重賞制覇に高須院長も「イエス」!? 名前に翻弄された素質馬の飛躍が話題
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRAヴィクトリアマイル(G1)至高の”1000円”勝負!現場ネタが導く「アノ伏兵」が波乱を!?
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬