
JRA最強ステイヤー列伝 ~歴史に残る名馬達~ メジロマックイーン、ライスシャワー、キタサンブラック……
今週5月3日、いよいよ春の長距離王決定戦・天皇賞・春(G1)が行われる。今年は昨年の菊花賞馬ワールドプレミアの出走はないが、2018年と2017年の菊花賞馬が激突。かなり見応えのあるレースになりそうだ。
天皇賞・春はJRAの平地G1レースの中で、最も長い芝3200mで行われる最強ステイヤー決定戦。3月の高松宮記念直前にはJRA史に残る最強スプリンターについて考察したが、今度はJRA史に残る最強ステイヤーを検証してみた。ステイヤーの定義を確認すると、JRA公式サイト内での競馬用語辞典では
「スタミナ豊富で、長距離レースの得意な馬のこと。ふつう2400m以上の距離に強い馬を呼ぶ」
と明記されている。しかし、近年はスローペース症候群と呼ばれるように、長距離戦は流れが落ち着き、上がりの競馬になりやすい傾向がある。結果として2000mが限界の馬でも、展開次第で2400mでも好結果が出てしまうケースもあり、それらの馬は本当の意味でステイヤーとは言い難い。
そこで今回選出する最強ステイヤーはあえて条件を厳しくし、3000m以上の平地G1レースを3勝以上、そして2500m以上のレースに全戦績のうち25%以上出走し、さらに勝率30%以上を記録した馬のみに限定した。
3000m以上の平地G1レースはもともと菊花賞と天皇賞・春しかないが、2勝という制限だと多くの馬がこの条件をクリアしてしまう。そこから絞り込むために、あえて3勝というハードルを課した。さらに2400mではなく2500m以上のレースの出走回数についても、その距離に多く出走することはステイヤーだからこそ。ゆえに最強ステイヤーと判断するには、ある程度の出走回数、そして勝率が必要となる。長距離適性を証明するビッグレースでの勝利実績、そして長距離適性を持つがゆえの戦績を重視して選ばれた馬こそ、本物のステイヤーと言えるだろう。
まず候補に挙がるのは当然メジロマックイーンだ。1990菊花賞、1991天皇賞・春、1992天皇賞・春と3000m以上のG1レースを3勝、3000mの阪神大賞典を勝ち、芝2500m以上は8戦5勝2着3回というほぼ完ぺきな成績。これ以上は望めないほど、ステイヤーとしての実績と戦績が揃っている。さらに全12戦のうち長距離戦の比率は66.7%で勝率も62.5%と突出しており、まさにJRAを代表する名ステイヤーだ。
次いでメジロマックイーンと同時期のライバルであるライスシャワーも最強ステイヤーの一頭だろう。1992菊花賞、1993天皇賞・春、1995天皇賞・春と3000m以上のG1レースを3勝。2500m以上の重賞は日経賞(G2)1勝、そして芝2500m以上は10戦4勝2着2回で勝率40%という成績だが、3000m以上のレースは3戦3勝という見事な内容だ。全25戦のうち長距離戦の比率は40%もあり、まさに最強ステイヤーの一頭だろう。しかも1993年の天皇賞・春では、三連覇を目指していたメジロマックイーンを破っている。
ライスシャワー以降、3000m以上の平地G1レースを3勝した馬はなかなか出てこなかったが、2017年のキタサンブラックが達成。同馬は2015菊花賞、2016天皇賞・春、2017天皇賞・春で3000m以上のG1レースを3勝。2500m以上の重賞は有馬記念のみだが、芝2500m以上は6戦4勝2着1回3着1回で勝率66.7%・馬券圏内率100%という成績。全20戦のうち長距離戦の比率は30%と少なめだが、実績は申し分ない。
この3頭以外に菊花賞と天皇賞・春を両方制した馬は多い。フィエールマン、ゴールドシップ、ディープインパクト、ヒシミラクル、マンハッタンカフェ、マヤノトップガン、ビワハヤヒデ、スーパークリークらがそうだが、芝3000m以上のG1レースは2勝まで。いずれもJRA史に残る名馬だが、前述の3頭と比較して最強ステイヤーと呼ぶには一歩劣る印象だ。以上からも、現時点でJRA史に残る最強ステイヤーと呼べるのは、まずこの3頭で異論はあるまい。
また、番外編であるが名ステイヤーの一頭としてトウカイトリックに触れておきたい。同馬は12歳まで現役を続けたが、そのうち芝3000m以上のレースになんと34回も出走。2500mまで広げると45回で、全63戦のうち71.4%が長距離戦となっている。これはメジロマックイーンを上回る高数値。そしてステイヤーズS(G2)、阪神大賞典(G2)、ダイヤモンドS(G3)を勝利し、芝3000mのオープン特別・万葉ステークスを2勝もしている。JRAではG1以外で3000m以上の平地重賞レースが3つあるが、そのすべてを勝利しているのだ。G1の実績はないものの、これは前述の3頭も成しえなかった見事な戦績と言えるだろう。
現在菊花賞と天皇賞・春を2勝しているフィエールマンは、今年の天皇賞・春を制すれば3000m以上のG1レース3勝を達成。そして2500m以上の出走比率も高く条件はクリア。フィエールマンがJRA史に残る最強ステイヤーに名を連ねることができるのか、今年の天皇賞・春から目が離せない。
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