
JRAオークス(G1)2戦無敗のキズナ産駒アブレイズに集約されたダービー向きの血! ノースヒルズはコントレイルと2週連続G1制覇もありえる!?
24日、日曜東京のメイン・オークス(G1)は桜花賞馬デアリングタクトとスイートピーS(L)を快勝したデゼルの無敗馬対決に大きな注目が集まっている。だが、フラワーC(G3)を優勝したアブレイズ(牝3、栗東・池江泰寿厩舎)も同じく無敗馬だ。
桜花賞(G1)を制したデアリングタクトは別格とはいえ、デゼルは未勝利とスイートピーSの2勝のみ。同じく2戦2勝のアブレイズは重賞のフラワーCを勝っているだけに、2頭に下馬評ほどの大きな差はないだろう。
父キズナは種牡馬デビューの同期の追随を許さない重賞5勝をあげているように勢いもある。現役時代のライバル・エピファネイア産駒のデアリングタクトが相手なら、キズナがエピファネイアを2着に下したダービーと同じ東京芝2400mは最高の舞台かもしれない。
また、アブレイズが単純に無敗というだけではなく、能力的な裏付けもある。新馬勝ちから臨んだフラワーCでは12番人気という低評価ながら、ハイペースの2番手につける強気なポジション取りでライバルを押し切った。一見、前残りのフロック勝ちに思える激走だが、前掛かりの淀みない流れに他の先行勢が脱落していることは見逃せない。
フラワーCで3着に負かしたシーズンズギフトは、次走のNZT(G2)でルフトシュトロームと半馬身差の2着と接戦している。同馬はNHKマイルC(G1)を出遅れて進路がなくなる致命的な不利がありながら5着に入った。また、NZTを3着だったウイングレイテストもNHKマイルCで不利な大外の8枠18番から7着まで追い上げている。
シーズンズギフトを物差しにすると、これを破っているアブレイズのフラワーC勝利は実力だったと頷ける走りではないだろうか。
そして、東京コースが得意とする血統的な背景もある。ダービー馬の父キズナの父は3冠馬ディープインパクト、母父ジャングルポケットもまたダービー馬だ。近親のトレイルブレイザーは11年のアルゼンチン共和国杯(G2)を制し、次走のジャパン(G1)では強敵相手に4着と健闘した。中山競馬場からのコース替わりはむしろ大歓迎かもしれない。
「前走のフラワーCは1勝馬であることと、騎乗したのが重賞未勝利だった藤井勘一郎騎手ということもあり、完全に人気の盲点となっていました。ですが、レース内容はとても1勝馬とは思えないほどの走りを披露して、スタミナを要求される展開でも最後まで交わされることなく粘りました。
スッと好位につけられるセンスの良さも大きな武器となりそうです。現在の東京競馬場は外を回した馬が伸び切れないレースも目立っており、前々でロスなく立ち回れそうなアブレイズには向きそうです。ハイペースでも簡単にはバテなかった前走の走りは東京の長い直線でも心配なさそうです」(競馬記者)
桜花賞を使わずにゆとりのあるローテーションで挑んだことにも好感が持てる。フラワーCから約2ヶ月と間隔が空くが、そこは昨年暮れのホープフルS(G1)勝利から直行したコントレイルを皐月賞(G1)勝利に導いたチーム・ノースヒルズなら心配は少ない。
展開次第ではダービーで最有力と目されているコントレイルより1週早く、アブレイズがオークスを激走しても驚けないかもしれない。藤井騎手は初重賞勝利をあげたフラワーCに続き、初G1制覇の期待もかかる。
人馬揃って過小評価をされているここは絶好の狙い目となりそうだ。
PICK UP
Ranking
11:30更新巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
皐月賞馬、ダービー馬不在の菊花賞を勝ったのは?
- 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬