JRA武豊「ムチ?その辺に忘れました」スペシャルウィークで悲願の初勝利! 無我夢中で追った98年ダービー、若き福永祐一はキングヘイローまさかの逃げに顔面蒼白
なんと福永騎手のキングヘイローがセイウンスカイを制して逃げるという奇策を打ったのである。まさかの逃げに戸惑ったファンも多かったものの、福永騎手の父は天才といわれた名騎手・福永洋一である。父のような「マジック」かもしれないと期待した。
対する武豊騎手のスペシャルウィークは大外だった皐月賞とは逆に内の3枠5番からのスタート。前方で起こった異変に動揺することなく、中団の10番手につけて脚を溜めた。直線入り口でセイウンスカイに交わされたキングヘイローの姿に、ただの「暴走」だったことにファンが気付いたときにはもう、スペシャルウィークは先団を射程圏に捉えていた。
懸命に追われるセイウンスカイを並ぶ間もなく交わすと、後続に5馬身差をつける完勝でゴールを駆け抜けたのだった。念願のダービー初勝利を手に入れた武豊騎手は何度もガッツポーズを繰り返し、ダービージョッキーとなった喜びを噛み締めた。だが、実際は無我夢中だったようで、直線ではムチを落としてしまい、必死で追っていたことも後に振り返っている。
セイウンスカイは他の馬にも交わされ4着に敗れ、14番人気ボールドエンペラーが2着に入った馬連の配当は1万3100円の万馬券となる波乱の決着となった。当時まだ3連単の発売はなかったが、3着が15番人気のダイワスペリアーだったことを考えると相当な高配当となっていただろう。
一方、デビュー3年目の若武者・福永騎手は顔面蒼白だった。人気を大きく裏切る14着に終わったダービー初騎乗について「頭が真っ白になってなぜかスタートして仕掛けてしまった」と振り返った。
しかし、当時は若かった福永騎手もそんな苦い経験を糧として、酸いも甘いも経験した2018年の日本ダービーではワグネリアンを見事勝利に導き、念願のダービージョッキーの称号を手に入れた。
98年のダービーから22年の時が流れた2020年のダービーで、福永騎手は1番人気が濃厚のコントレイル、武豊騎手はサトノフラッグで対決する。
円熟味を増した二人の手綱捌きを楽しみに待ちたい。
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