【徹底考察】天皇賞・秋(G1) エイシンヒカリ「昨年は逃げずに9着惨敗も、武豊騎手は今年もハナにはこだわらない?昨年の天皇賞・秋の敗因を究明」
『考察』
ここまで13戦して10勝。エイシンヒカリの勝率約77%は、紛れもない超一流馬の証だ。
しかし、世界No.2という飛び抜けた評価を受けている一方で、常に「どこか危うい気配」を漂わせているのは、敗れた3戦がともに目を覆いたくなるような惨敗劇だからに他ならない。
勝つ時は、一時は世界1位の評価となっていたイスパーン賞(仏G1)はもちろん、ヌーヴォレコルトを従えてG1初勝利を飾った香港C(G1)など歴史的名馬の風格さえ感じさせる強さである一方、逆に敗れる時は6着(最下位)、9着、9着と完全に撃沈してしまうエイシンヒカリ。
ちなみに敗れた3戦は、前走のプリンスオブウェールズ(英G1、芝2000m)最下位に、昨年の天皇賞・秋(G1)の9着、そして2014年12月のチャレンジC(G3)の9着だが、この3つのレースにエイシンヒカリの敗因となるような共通点は見出せない。
だが、参考資料やデータが限られるプリンスオブウェールズを除けば、少なくともチャレンジCでは明確な敗因がある。
チャレンジCでのエイシンヒカリは重賞初挑戦にもかかわらず、デビュー5連勝の実力が買われて単勝1.9倍と断トツの存在だった。それもデビュー2戦目からは、すべて逃げて楽勝している。
だが「楽に逃がせば勝たれる」以上、レースの格が上に行けば行くほど、エイシンヒカリに思うような競馬をさせない働き、もっといえば「潰しに行く馬」が出てくるのは当然であり、同時に強い逃げ馬の宿命でもある。
下記のラップを刻んだ、この年のチャレンジCは、そんな「逃げ馬潰し」の典型的なレースで、スタートからハナに立ったエイシンヒカリに対して、後続のマコトブリジャールやウインフルブルームといった先行勢が激しくチェイシングした。
その結果、スタートとラスト以外で一度も12秒台が記録されない、つまりは逃げたエイシンヒカリにまったく息を入れさせない流れが生まれたということだ。
2014年 チャレンジC(G3)
12.6 – 11.2 – 11.5 – 11.8 – 11.7 – 11.6 – 11.0 – 11.6 – 12.9
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