
JRAユニコーンS(G3)「海外勝ち」フルフラットは日本でその強さを発揮することができるか!?
今週21日にユニコーンS(G3)が東京競馬場で行われる。後日、大井競馬場で行われるジャパンダートダービー(交流G1)の前哨戦という要素もあり、毎年砂の3歳王者を目指した馬たちが熱い戦いを繰り広げている。今年はレベルの高いダート馬が揃っており、どの陣営もボルテージが上がっているようだ。
このレースで注目される一頭が、今年2月に海外へ渡り、サンバサウジダービーを勝利したフルフラット(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)だ。
本馬を管理する森調教師は、日本競馬が海外競馬に対して消極的だった90年代から、積極的に海外遠征をしてきたトレーナーである。今では当たり前となっている海外遠征だが、その当時は手探り状態ながらも一人で切り拓いてきた、まさにパイオニア的存在だ。
1995年にはフジヤマケンザンで香港国際カップ(現在の香港カップ)に勝って、自身の厩舎開業初の海外重賞勝利をもぎ取り、1998年にはフランスのモーリス・ド・ゲスト賞をシーキングザパールで優勝し、日本調教馬による初の欧州G1制覇を成し遂げたのだ。
「森調教師は、勝ちに行くための『戦術』にもパイオニア精神を発揮しました。シーキングザパールのフランス遠征では、滞在地はフランスを選ばず、イギリスのニューマーケットを選んだようです。
フランスのシャンティイにある調教施設は平坦コースが主流ですが、イギリスのニューマーケットだと坂路があり、栗東と同じ調教ができるので、イギリス滞在を選択したそうです」(競馬誌ライター)
このスタイルで、1999年にアグネスワールドもフランスのアベイ・ド・ロンシャン賞を制覇している。また昨年、凱旋門賞に挑んだフィエールマン、ブラストワンピースもこのスタイルを採り入れたように、いまの日本の競馬界にも良い影響を与えているようだ。
近年は、ドバイなど中近東の高額賞金レースを狙って遠征している森調教師は、今年も2月にサウジアラビアへ2頭を遠征させた。1頭はマテラスカイで、サウジアカップに出走してあわやの2着。
そして、もう1頭がサンバサウジダービーに出走したフルフラットだ。
じつは昨年、フルフラットは芝で3戦走ったが1勝しか出来なかった。陣営はすぐにダート路線に変更。一度もダート戦を使わないまま、11月にいきなりアメリカのサンタアニタ競馬場で行なわれたBCジュベナイル(G1)に出走させた(結果は5着)。常識破りの使い方で競馬界を驚かせ、さらにサウジアラビアのサンバサウジダービーカップに出走してきたのだ。
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