JRA「宝塚記念の法則」にラッキーライラックが、クロノジェネシスが絶体絶命!? 15年連続「連対」継続中……今年「大穴」を開けるのは、この3頭?
まず筆頭に挙げたいのは、充実著しいカデナ(牡6歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。
もともとデビューから5戦連続で上がり最速を記録するなど、世代でも屈指の切れ者と名を馳せていたカデナ。一時、スランプに陥っていたが、最近は不発に終わった昨秋の天皇賞・秋(G1)を除けば5戦連続で上がり最速を記録している。
中でも、後方12番手から4着まで追い上げた前走の大阪杯(G1)は、この馬の充実ぶりを物語っていた。記録した33.5秒は、上がり2位ラッキーライラックとでさえ0.4秒差という圧巻の切れ味。主戦の鮫島克駿騎手はこの馬の末脚を信じ切っており、まともに末脚を爆発できれば、今年の宝塚記念の上がり最速に最も近い存在といえるだろう。
次点では、トーセンカンビーナ(牡4歳、栗東・角居勝彦厩舎)が面白い存在だ。
前々走・阪神大賞典(G2)、前走・天皇賞・春(G1)とステイヤー路線を歩んできたトーセンカンビーナ。それだけに、このメンバーで切れるといったイメージはないかもしれないが、実は前々走まで5戦連続で上がり最速を記録していた。
特に光るのが、昨年の阪神の1800m戦で記録した上がり3ハロン32.9秒だ。今回と違い外回りコースだったが、上がり2位に0.7秒差をつける異次元の末脚。ハマった時の破壊力は、このメンバーでも脅威に違いない。1枠1番という枠順もスタートに不安があるトーセンカンビーナにとっては、むしろプラスだろう。いつも通り出遅れれば、鞍上の浜中俊騎手も腹を括るしかなくなるからだ。
最後に挙げたいのは、レッドジェニアル(牡4歳、栗東・高橋義忠厩舎)だ。
こちらもスタートに不安があり、だいたい3走に1度は出遅れて、後方からの競馬を余儀なくされている。今年1月の日経新春杯(G2)でも、スタートで後手を踏んで1番人気を裏切ってしまった。
しかし、逆に出遅れた際は、非常に高い確率で上がり最速の末脚で追い上げている。唯一、上がり2位に終わったのが昨年の日本ダービー(G1)だが、サートゥルナーリアと0.1秒差の2位なら、その破壊力はG1でも通用するはずだ。
ただ、逆に“普通”にゲートを出てしまうと、“普通”に中団から競馬して、“普通”に負けてしまっているレッドジェニアル。「出遅れるかが勝負」というのはおかしな話かもしれないが、そんな事情もあって3番手とした。
もっとも先述したサートゥルナーリアや、グローリーヴェイズといった実力も切れ味も兼ね備えた馬が、あっさり上がり最速を記録してしまう可能性もある。ただ、近1年でそれぞれ1度ずつしか上がり最速を記録していないラッキーライラックや、クロノジェネシスら先行タイプの有力馬にとっては耳の痛い話だろう。
一歩足りなくとも、ハマった時には上位を賑わすのが穴馬。探すなら、今回は末脚に懸ける切れ味自慢を狙いたいところだ。
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