JRA「6億円」アドマイヤビルゴ菊花賞(G1)スルー濃厚!? 3歳馬出走ナシが続く条件戦へ……

2017年のセレクトセールで最高額となる5億8000万円(税込6億2640万円)で取引されたアドマイヤビルゴ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)。同馬が、ノーザンファームしがらきから帰厩し、9月13日に中京競馬場で行われるムーンライトハンデキャップ(芝2200m)に備えていることがわかった。
アドマイヤビルゴは、亡き近藤利一オーナーから、「父ディープインパクトの背中を知っている騎手に乗ってほしい」と、指名された武豊騎手とともにデビュー戦と若葉S(L)を連勝。その後は京都新聞杯(G2)に向かうことが明かされ、ここを勝てば日本ダービー(G1)の有力候補になると注目を集めていた。
だがコロナ禍の影響で課せられた、土日で違う競馬場で騎乗してはならないという移動制限で歯車が狂う。武豊騎手は東京競馬場で開催されるNHKマイルC(G1)に騎乗するため、その前日に京都競馬場で行われる京都新聞杯での騎乗はアウトになってしまった。
これを受けて、武豊騎手も自身の公式ホームページを通じて「G1については(移動制限に)幅をもたせてほしい」と思わず“本音”をポロリ。事情が事情だけに頭では理解しているだろうが、騎手として大事な1戦に騎乗できない悔しさをにじませた。
結局、調教でも騎乗していた藤岡康太騎手に、日本ダービーへの“切符獲り”が託された。だが一度は最後の直線で先頭に立つも、伸びを欠き、無念の4着。陣営はダービー出走を断念していた。
「菊花賞を目指すかもと思われていたアドマイヤビルゴですが、管理する友道調教師は、以前から秋は『自己条件から』と明かし、トライアルにも進まない意向を示していました。ムーンライトハンデキャップは近年1800m~2200mで行われていて、秋のクラシックと条件が違いすぎるためか、過去5年で3歳馬の勝利はおろか出走すらもナシ。このレースを選んだということからも、来年以降を見据えているというのがわかりますよ。
ただ今年とは条件が違うものの、6年前にはエイシンヒカリが古馬を相手にムーンライトHCを快勝。その後の飛躍のきっかけとしました。アドマイヤビルゴもここで今後につながる走りを見せてほしいですね。そして来年以降は、武豊騎手を背に大舞台に挑戦してもらいたいです」(競馬誌ライター)
京都新聞杯の際には、430kgと少々寂しい馬体をしていたが、今では470kgまで体重が増えているというアドマイヤビルゴ。亡き近藤オーナーの忘れ形見の本格化はこれからだと考えて良さそうだ。
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