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JRA“苦労人”調教師が騎手時代の度重なる“不運”乗り越え平地重賞初制覇! キーンランドC(G3)エイティーンガールが差し切り勝ち

JRA苦労人調教師が騎手時代の度重なる不運乗り越え平地重賞初制覇! キーンランドC(G3)エイティーンガールが差し切り勝ちの画像1

 30日、札幌競馬場で行われたキーンランドC(G3)を制したのは5番人気のエイティーンガールだった。道中は最後方に待機し、余裕の手応えで4角を回ると、直線一気の豪脚を披露した。

 同馬を管理する飯田祐史調教師は昨夏にメイショウダッサイで小倉サマージャンプ(G3)を制しているが、平地重賞タイトルは調教師キャリア8年目で初。調教師としての通算勝利数を「99」として、大台到達にリーチをかけた。

 騎手としては通算380勝を挙げた飯田師。JRA競馬学校の第9期生として1993年にデビューすると、1年目から19勝を挙げ、関西の新人騎手賞にも輝いた。早くから多くの重賞にも騎乗機会を与えられるなど、まさに順風満帆。騎手としての重賞初制覇も8年目のことだった。

「飯田師は、2002年の春に当時G2だった大阪杯でメイショウオウドウを優勝に導きました。その後は、約2年4か月という短い期間にとんとん拍子で重賞を合計4勝。コンスタントに年間20~30勝挙げ、まさに騎手としての全盛期を迎えていました。しかし、21年間の騎手生活では何度かの不運に見舞われたこともあります」(競馬誌ライター)

 1度目の不運は1999年の秋華賞(G1)。その年は12番人気の伏兵ブゼンキャンドルが金星を挙げたが、鞍上を務めたのは安田康彦騎手(当時)だった。飯田師は3着に入った前哨戦のローズSを含む前2走に騎乗していたが、秋華賞当日にマカオでの交換競走への参加が決まっていたため、ブゼンキャンドルには乗れず。結果的には悔しい乗り替わりを味わうこととなった。

 2度目の不運は2002年2月の落馬事故だ。この時は3か月半でスピード復帰を果たし、その年の夏にはアラタマインディで小倉記念も制覇した。しかし、ケガの影響もあったのか、その後、勝ち鞍は伸びず、13年に引退するまで年間20勝を超えることはなかった。

 3度目の不運は2012年に新規調教師免許試験に合格したこと。もちろん合格したこと自体は喜ばしいことだが、お手馬だった後のG1・3勝馬メイショウマンボを武幸四郎騎手(当時)に譲ることになってしまう。もちろん、騎手生活を続けていたとしても、乗り続けられていたかどうかはわからない。しかし、メイショウマンボは父の飯田明弘調教師(当時)が管理していたため、コンビ継続の可能性は高かっただろう。結局、騎手としてG1タイトルには無縁のまま現役を終えた。

 その後は父の引退に伴い、14年3月に厩舎を開業。かつてのお手馬メイショウマンボも同時に父から受け継いだ。しかし、メイショウマンボは“転厩”後に大苦戦。開業年のヴィクトリアマイル(G1)で2着はあったが、引退まで2桁着順を繰り返すこととなった。

 現在45歳の飯田師は調教師としてはまだまだ“若手”。これからG1制覇のチャンスは何度となくやってくるだろう。まずはスプリンターズS(G1)への優先出走権を手にしたエイティーンガールとともに、騎手時代に成し遂げられなかったG1制覇を狙う。

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