
JRA「34年間馬券圏外」京成杯AH(G3)スマイルカナに重くのしかかる“ジンクス”と苦手「休み明け」
13日(日)、秋競馬の開幕週を飾るのはマイルのハンデ重賞、京成杯AH(G3)だ。今年はスマイルカナとルフトシュトロームの3歳馬2頭に注目が集まっている。9日時点、『netkeiba.com』の予想オッズで1番人気に支持されているのはスマイルカナ(牝3歳、美浦・高橋祥泰厩舎)の方だ。
サマーマイルシリーズ最終戦で逆転を狙うスマイルカナ。勝てば3歳牝馬として初めて、サマーマイル王者の座に就くが、米子S(L)に続いて古馬を一蹴することはできるだろうか。
9日に行われた最終追い切りは、美浦Wコースを単走で追われた。管理する高橋祥調教師は「この馬らしい動きだった。(帰厩後は追い切り)本数も重ねて、無事にここまできた」と自信をのぞかせている。
トリッキーな中山1600mのコースでは、逃げ切った1月のフェアリーS(G3)を含め2戦2勝。そして道悪で行われた桜花賞(G1)ではデアリングタクトの3着という実績が光る。しかし、3歳牝馬にとってこのレースは“鬼門”となっている。
最後に京成杯AHで3歳牝馬が優勝したのは、今から35年前の1985年までさかのぼる。その年の桜花賞を制したエルプスが55kgという酷量を背負い完勝を収めたのが最後である。それ以降、昨年のプールヴィルまで計13頭の3歳牝馬が挑戦してきたが、すべて4着以下。34年間にわたって馬券圏外が続いている。
ただし2010年以降に出走した3歳牝馬は、前述したプールヴィルと15年のアルビアーノの2頭だけだ。13頭のなかで最も勝利に近づいたのが5年前のアルビアーノだった。その年のNHKマイルC(G1)で2着という実績を引っ提げ、堂々1番人気に支持されたが、結果は7着。ただし優勝馬とのタイム差はわずか0秒1という惜敗だった。
スマイルカナは、前走の米子Sから約3か月ぶりの実戦だが、休み明けはこの馬にとって割引材料だという。
「(スマイルカナは)どちらかと言うと、間隔を詰めたほうがいいタイプです。これまでも中3週では3戦3勝と好結果を残していますが、中4週以上空けると、4戦して『0-0-1-3』と明らかにパフォーマンスが違います。秋の大舞台を見据えてここは叩き台の可能性もありますよ。ただし高橋祥調教師はこのレース(京成杯AH)を是が非でも獲りたいのではないでしょうか」(同)
高橋祥調教師がこのレースに管理馬を送り込むのは1986年以来、実に34年ぶり。前回は1番人気に推された5歳牝馬のダイナシュガーで挑んだが、4着に敗れた。その2年前にもダイナシュガーは2着に入っている。
高橋祥調教師にとっては34年ぶりのリベンジの舞台。もしスマイルカナが1番人気に支持されれば、否が応でもその時のことを思い出すだろう。スマイルカナは、高橋祥調教師に34年前の忘れ物を届けることはできるだろうか。
PICK UP
Ranking
17:30更新【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは