JRAデアリングタクトの評価さらに上がった!? 3歳牝馬が古馬相手に快勝!アーモンドアイ、コントレイルとの対決も……

21日、阪神競馬場で行われたサマーマイルシリーズの第1戦・米子S(L)を柴田大知騎手の2番人気スマイルカナ(牝3、美浦・高橋祥泰厩舎)が快勝。古馬と初対決となった桜花賞3着馬が、16着に敗れたオークス(G1)から復活勝利を飾った。
距離の長かった前走のオークスから得意のマイル戦に戻ったスマイルカナ。桜花賞と同じ阪神・芝1600mの舞台ということもあり、2番人気の支持を受けた。そして何より強気になれたのは50キロの「軽量」だろう。
この日は前走の420キロから10キロ減って410キロでの出走。小柄な馬だけに「恵量」も大きな味方となった。負かした相手も重賞勝ち実績のある馬や、G1で入着のある強敵だけに力がないと勝てない相手だったのは確かだ。
会心の勝利に柴田大騎手も「この斤量はやはり魅力でした。地力があると改めて思いました」ハンデの恩恵は認めつつも、相棒の能力の高さも称えた。3月のチューリップ賞(G2)から月1走のローテーションで使われ、G1を連戦して臨んだこともあり、馬体はギリギリ。そんなかでもきっちりと結果を残せたことは、今後のローテーションを組むにも余裕が持てそうだ。
レースはモズダディーが主張して先頭に立ち、ランスオブプラーナが2番手につけた。これまで逃げて3勝をあげていたスマイルカナは無理に競り合わず3番手を選択。600m過ぎにスローと見るやポジションを上げて先頭に。直線では追走に苦しむ古馬を尻目に楽な手応えでゴールを駆け抜けた。
また、直線で2番手まで追い上げたプロディガルサンは脚が止まって4着。2着ラセット、3着ミッキーブリランテは後方から追い込んできた馬だ。スマイルカナを積極的に捕まえに行った馬が脱落した結果、差し追込み馬に交わされたことも、より勝ち馬の強さを際立たせる内容だった。
近年を振り返ってみても、3歳馬が古馬相手に6月のOPクラス以上で勝利したのは函館スプリントS(G3)の17年ジューヌエコール、16年ソルヴェイグと少ない。スマイルカナの勝利は今年の3歳牝馬の世代レベルを推し量る上でも好材料となったといえる。
そこで相対的な評価が大きく上がりそうなのは今年の牝馬クラシック2冠を無敗で制したデアリングタクトだ。桜花賞ではレシステンシア、スマイルカナを問題にしない走りで撫で切った。オークスこそ直線の進路取りに戸惑ったが、まともに走れたのは前が開いたわずかな距離のみと底を見せていない。
「デアリングタクトは牝馬3冠を目指して秋華賞(G1)を目標にすることが濃厚ですが、注目されるのはその次です。直近で牝馬3冠を達成したアーモンドアイ、ジェンティルドンナは秋華賞の次にエリザベス女王杯(G1)ではなく、ジャパンC(G1)に出走して見事に勝利を飾っています。
秋に無敗の牝馬3冠を達成するようならジャパンCでアーモンドアイやコントレイルとの対決も十分あり得る話でしょう。もしも3頭の対決が実現するようなら大いに盛り上がりそうです」(競馬記者)
牡馬はコントレイルもまた無敗でクラシック2冠馬となったが、世代レベルの指標としては、スマイルカナの古馬撃破で牝馬が一歩リードしたといえる。
史上初となる牡馬、牝馬ともに無敗でクラシック2冠馬が誕生した今年は楽しみな秋となりそうだ。
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