JRAスプリンターズS(G1)春の再戦ムード「主役不在」の危機を“抜け道”で回避! 高松宮記念の繰り上げ当選は“カラクリ”あり
21日、秋競馬最初のG1・スプリンターズSの特別登録馬が発表された。出走を予定していた昨年の覇者・タワーオブロンドン、昨年の春秋マイル王・インディチャンプは回避することになったが、豪華メンバーが集結した。
前哨戦を勝ったダノンスマッシュ、エイティーンガールの他に、今年の高松宮記念(G1)勝ち馬モズスーパーフレア、同レースで2着のグランアレグリア、3着のダイアトニックなど、春のG1で上位だった馬が人気を集めることが予想される。中京から中山に舞台を替えて春の再戦ムードが漂っているが、忘れてはならない1頭が除外の危機に直面していた。
高松宮記念で1位入線したが、降着処分を受け4着となったクリノガウディー(牡4歳、栗東・藤沢則雄厩舎)だ。
今回、スプリンターズSはフルゲート16頭に対して、20頭が登録を行った。この中から優先出走権を持つ2頭を除いて、出走馬決定賞金順にて14頭が選定される。だが、クリノガウディーの出走馬決定賞金は4000万円で15番目。つまり回避馬が出ない限り、出走が叶わない状況だったのだ。
だが、22日に発表されたレーティング順位で、クリノガウディーはメンバー中3位のため、優先での「出走が可能」になった。高松宮記念で1位入線を果たしたクリノガウディーは4着に降着しているが、1着のモズスーパーフレア(セックスアローワンス4ポンドを考慮)と同等の115ポンドの評価を受けたのだ。
実は、高松宮記念でも1勝馬のクリノガウディーは補欠4番手だった。だが、上位馬から4頭の回避が出たことにより出走が実現。繰り上げ当選ながら、レースでは好走を見せてファンを驚かせた。
「高松宮記念は4頭の回避馬が出たことで、クリノガウディーは出走できたのは偶然というわけではありません。というのも、高松宮記念で回避した馬のうち3頭はドバイ遠征を予定していた馬です。それに、もう1頭は3月末で引退が決まっていたソウルスターリング。元々、4頭は回避濃厚という背景がありました。
今回、クリノガウディーは昨年の中京記念(G3)2着が出走馬決定賞金算出の対象期間から外れてしまって、4800万円から4000万円に減っていました。結果的に、350万円差で除外対象となり、夏競馬での賞金加算ができなかったのは陣営にとって痛手だったはずです。
ですが、今回はレーティング順位での滑り込み。高松宮記念の好走に救われましたね」(競馬記者)
夏競馬でクリノガウディーはCBC賞(G3)が12着、関屋記念(G3)が18着と散々な結果に終わった。前者はトップハンデ58キロ、後者は久々のマイル戦が敗因の一つに考えられる。
そして、賞金加算のラストチャンスとなる13日のセントウルS(G2)に出走。スタートで後手を踏み、後方からの競馬となったが、最後の直線はしっかり脚を伸ばす。しかし、7着に敗れて賞金加算することができなかった。前残りのレース展開で、スタートの出遅れは致命傷だった。
直近は凡走が続いているクリノガウディーだが、レーティング順位という“抜け道”でスプリンターズS出走が叶った。しかし、これは高松宮記念で1位入線の実績が影響しており、実力で勝ち取ったものとも言えるだろう。
除外対象から奇跡の“復活”を成し遂げたクリノガウディー。もう一度G1で、好走することに期待したい。
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