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【徹底考察】桜花賞(G1)メジャーエンブレム 最強女王に「死角」あり。弱点は「最後の直線」に隠されている!?

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mejour.jpgメジャーエンブレム「競馬と景色の写真集」より

考察

「身体能力は非常に高い。ここ数か月の間に、目に見えない精神的な強さが出てきた」

 そう自信気に語るのは、メジャーエンブレムを管理する田村康仁調教師だ。調教を担当する高木大輔助手も「何の問題もない。過去に体験したことのないスケール感。凄過ぎます」と桜花賞(G1)の主役として”完全無欠”をアピールしている。

 陣営がここまで強気になれるのも、いわば「当然」だろう。堂々の2歳女王にして、前哨戦のクイーンC(G3)を5馬身差レコードの完勝。それも他馬より1㎏重い斤量を課せられての結果だ。

 さらに強気になれる点として「逃げ」という脚質上、メジャーエンブレム自身がレースを作れる、言い換えれば「主導権を握れる」点も大きい。他のライバルに比べて、展開に左右されにくく、馬群に包まれて脚を余すこともない。

 しかし、「鉄板」に思える今年の桜花賞の大本命メジャーエンブレムにも、まったく「弱点」がないわけではない。

 まず、メジャーエンブレムには「速い上がりが使えない」という弱点がある。東京1800mの新馬戦で上がり3ハロン33.8秒の脚を使っているのだから、一見切れる脚も使えるように見えるが、実は2着馬プランスシャルマンの方が33.4秒と速い。

 しかも、このプランスシャルマンはスプリングS(G2)で4着するなど、なかなかの強豪ながら新馬戦以降一度も3ハロン33秒台を記録していない。つまりは、それほど切れる馬ではないということだ。

 つまりは同時にメジャーエンブレムの上がり3ハロン33.8秒も特別に速いわけではない。

 そして、このメジャーエンブレム自身の最速上りは、前半1000mが63.9秒という新馬戦特有の極端なスローペースだからこそ繰り出せた末脚。だが、今のメジャーエンブレムが超スローペースを作り出すことができなくなっている可能性が高い。

 デビュー戦からレースを重ねるたびに気性が前向きになっていく馬は決して珍しくはないが、メジャーエンブレムもどうやらその傾向がありそうだ。これは2つ目の弱点となる「前向き過ぎる気性」にもつながるのだが、注目したいのは本馬が唯一敗れたアルテミスS(G3)のラップだ。

アルテミスS(G3)
12.5 – 11.3 – 11.1 – 12.4 – 12.6 – 11.9 – 11.1 – 11.2
阪神JF(G1)
12.5 – 10.9 – 11.4 – 12.1 – 11.8 – 11.7 – 11.5 – 12.6
クイーンS(G3)
12.3 – 10.8 – 11.3 – 11.7 – 11.7 – 11.2 – 11.6 – 11.9

 上記はメジャーエンブレムの近3走の200mごとの通過タイムだが、比較してほしいのは4ハロン目と5ハロン目のタイムだ。アルテミスSでは「12.4 – 12.6」つまりは合計「25秒」と、阪神JFの「23.9秒」、クイーンSの「23.4秒」と比較すれば1秒以上遅い。

 これは、アルテミスSでメジャーエンブレムの鞍上C・ルメール騎手が意図的にスピードを抑えたせいであると考えられる。

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