JRAフィエールマン「痛恨」の不利だけじゃない!? 天皇賞・秋(G1)マイナス材料すべて払拭、豪脚炸裂2着は「G1・8勝」も狙える器か
1日(日)の天皇賞・秋(G1)で、フィエールマン(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)が上がり最速の末脚を繰り出し、見せ場たっぷりの2着に食い込んだ。
これまでG1を3勝しているフィエールマンだが、いずれも3000m以上の長距離。体質の弱さも手伝って連戦が利かず、中距離重賞では惜敗が続いていた。それだけに、短すぎるといわれた今回の2000mで、アーモンドアイに半馬身差まで詰め寄ったことで、その評価が急上昇したのは間違いないだろう。
初騎乗の福永祐一騎手はレース後、「脚を溜めて、最後はよく伸びていました。直線が長いのはやはり良いですね。力のあるところは見せられました」と同馬の実力を褒めたたえる一方、「スタートは出ましたが、挟まれたのが痛かったです。2000mのコース形態上、仕方ないところはありますが、あそこがポイントでした」と悔しさもにじませた。
「フィエールマンを本命にしていた人は、スタート直後に両サイドから挟まれ、後ろからの競馬になった時点で大敗も覚悟したと思います。ステイヤーというイメージが染みこんでいましたし、これまでの上がり時計を見ても、あれだけ切れる脚を使えるとは正直思いもしませんでした。直線でもなかなか外に出せませんでしたし、スムーズに好位を取れていれば、違った結果になっていたかもしれませんね」(競馬誌ライター)
フィエールマンの上がり3ハロンは、メンバー最速の32秒7。この上がり時計だけで、「ステイヤー」というイメージを完全に払拭したといっていいだろう。
「府中の2000mで好走したことで、フィエールマンの今後がより楽しみになりました。次走は、有馬記念(G1)に向かうとみられていますが、2頭の3冠馬をはじめとした有力馬がそろってジャパンカップ(G1)や香港(国際競走)に向かえば、フィエールマンが最有力候補に躍り出る可能性は高いでしょうね」(同)
昨年の有馬記念は4着に敗れたが、凱旋門賞(G1)帰り、そしてハイペースのなか、早めに仕掛ける積極的な競馬を見せての濃い内容の競馬だった。有馬記念に向かうことになれば、天皇賞・秋からは中7週。この馬にとっては短い間隔となるが、体調が万全ならG1・4勝目を十分狙えるだろう。
また、来年には当然のごとく天皇賞・春(G1)3連覇も狙いにいくはず。少し間隔を空けて宝塚記念(G1)、そして天皇賞・秋、有馬記念とG1を狙い打ちしていけば、アーモンドアイが達成したばかりのG1・8勝も視界に入ってくるかもしれない。
元JRA騎手の安藤勝己氏は自身のTwitterに「フィエールマンには驚いた。馬体減らして発汗。お世辞にもいい気配やなかったけど、2000mであのキレ味がディープなんやな」と投稿。今後の活躍次第では、父ディープインパクトの後継として、種牡馬価値も大きく向上するだろう。
5歳とはいえ、デビューからまだ11戦。新境地を開いたフィエールマンのストーリーはまだ始まったばかりだ。
PICK UP
Ranking
5:30更新- JRA元騎手・藤田伸二氏の「引退理由」を日本経済新聞が痛烈批判!?「木を見て森を見ない典型」と述べた騎手リーディングの本質とは
- 「ユタカァ、あけろー!」藤田伸二氏が明かした“恐喝”日本ダービー制覇の裏話…“怒り心頭”武豊から掛けられた恐怖の言葉とは
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 最強キタサンブラック「凱旋門賞で見たかった」の声が殺到!盟友サトノクラウンとの「夢のタッグ挑戦」が消え、ファン悶絶……
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 武豊が「告白」宝塚記念(G1)キタサンブラック大敗劇で「最大の敗因」とされるサトノクラウンの”荒技”の影響……凱旋門賞消滅への思いと「雪辱の秋」へ<2>
- 【東京大賞典(G1)展望】国内制圧へ、世界のフォーエバーヤング登場! 昨年1、2着ウシュバテソーロ&ウィルソンテソーロなど豪華メンバー集結
関連記事
JRA「7馬身差」松山弘平メイショウカズサ独り旅! 名伯楽・松田国英師「秘蔵っ子」を撃破……4連勝でダート頂点争いに殴り込み
岩田望来JRA通算99勝から「39連敗」で騎乗停止……「僕の追い方が良くない」メイショウサンガで幻の100勝目も1位降着
JRAアーモンドアイ「次走」ジャパンC(G1)浮上!? 年内引退濃厚もC.ルメール「彼女はまだ走りたい」コントレイル、デアリングタクトと夢の対決なるか?
JRA天皇賞・秋(G1)北村友一「心の底から……」武豊の”サンデーR狩り“に恨み節!? クロノジェネシス痛恨出負け……致命的な不利も「審議」は点灯なし
JRA武豊も霞む「号泣」C.ルメール天皇賞5連覇! アーモンドアイ前人未到の8冠に「プレッシャーあった」も完璧騎乗で大偉業達成!