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JRA無敗の三冠馬が何故「4番人気」の屈辱を味わったのか。ジャパンC(G1)8戦8勝の「皇帝」シンボリルドルフに流れた“不安説”とは

JRA無敗の三冠馬が何故「4番人気」の屈辱を味わったのか。ジャパンC(G1)8戦8勝の「皇帝」シンボリルドルフに流れた不安説とはの画像1

 29日に東京競馬場で開催される今年のジャパンC(G1)には、史上3頭目の無敗の牡馬三冠馬コントレイルと、史上初の無敗の牝馬三冠馬デアリングタクトという2頭の3歳馬が挑戦する。

 無敗三冠馬誕生自体がレアケースだが、彼らによる3歳のジャパンC挑戦となれば極めてレアケースとなる。過去の事例では1984年のシンボリルドルフ、ただ1頭しかいない。

 デビュー8連勝で菊花賞(G1)を制し、史上初の無敗の三冠馬に輝いたシンボリルドルフ。その絶対的な強さに人々が畏怖を込めて「皇帝」と称したことは、あまりにも有名だ。

 しかし、そんな皇帝が1984年のジャパンCでは「4番人気」という屈辱?を味わっている。ちなみにシンボリルドルフが国内で1番人気にならなかったのは、重賞初挑戦となった弥生賞(G3、当時)でビゼンニシキに1番人気を譲った時と、このジャパンCだけだ。

 一体何故、無敗の三冠馬が4番人気に甘んじたのかーー。現在では到底考えられない状況だが、当時を紐解いてみると答えが見えてきた。


◆当時のジャパンC

 今年で第40回の節目を迎えるジャパンCだが、シンボリルドルフが3歳で出走した1984年は第4回だった。「世界に通用する馬づくり」をテーマに1981年に誕生したジャパンCだったが、第1回、第2回と来日した外国馬が1着から4着を独占。第3回にして、やっとキョウエイプロミスが2着と一矢報いたが、当時は世界との差があまりにも大きかった。

 つまり、シンボリルドルフを含め「日本馬は外国馬より弱い」と思われていたのだ。

 実際にこの年、日本馬として初めてジャパンCを勝ったカツラギエースは14頭中10番人気という低評価だったが、この年の宝塚記念(G1)の勝ち馬である。1番人気こそ前年の三冠馬ミスターシービーだったが、そこには日本最強馬が「外国馬を倒してほしい」という当時の競馬ファンの願いが込められていたようだ。ちなみにシンボリルドルフを除く2~9番人気は、すべて外国馬だった。


◆当時の菊花賞

 現在でこそ10月開催の第3週に行われている菊花賞だが、当時は11月開催の第2週。今年で当てはめればエリザベス女王杯(G1)の週に開催されていた。つまりシンボリルドルフは、ジャパンCまで中1週の強行軍だったのだ。

 中4週の現在でさえ、菊花賞の出走馬がジャパンCに挑戦した例は過去10年で5頭しかいない。この事実からもシンボリルドルフの挑戦は大きな話題になったものの、多くのファンが激戦の疲労を不安視していた。


◆当時の競馬メディア

 そんな中、シンボリルドルフが中間で下痢になったという報道が、ファンの不安な気持ちをさらに煽ることに……。当時はインターネットがなかったことはもちろん、競馬メディアも限られていたので、ルドルフの不安説だけが大きく先行したようだ。

 結果的に3着に終わったことからも、シンボリルドルフのコンディションが本物でなかったことは確かなのだろう。しかし、本馬はその後、年末の有馬記念(G1)を快勝すると、翌年には1番人気に応えてジャパンCを制覇。G1最多勝記録の7冠馬として、長く日本競馬の頂点に君臨することとなる。

 あれから36年。今秋、コントレイルがシンボリルドルフ、ディープインパクトに続く無敗の三冠を達成し、アーモンドアイが「ルドルフの呪い」と言われた芝G1・7勝の壁を破った。

 だが、人気は「ファンの心理」が作り出すものという事実は変わらない。仮にコントレイルが1番人気を譲ればキャリア初、アーモンドアイでも2018年の桜花賞(G1)以来、2年ぶり2度目の“屈辱”となる。果たして、ファンが願いを託す1番人気は――。

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