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武豊、前人未踏のJRA通算「5000勝」へ――。O.ペリエ「ユタカもまだ4000勝していないかも……」偉業を阻む海外からの「刺客」

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 武豊騎手、前人未踏のJRA通算「5000勝」は達成されるのか――。

 20日、阪神競馬場で行われた朝日杯FS(G1)では、川田将雅騎手騎乗のグレナディアガーズが優勝。JRA・G1完全制覇まで朝日杯FSとホープフルS(G1)の2レースを残す武豊騎手の偉業達成は、来年以降に持ち越されることとなった。

 武豊騎手といえば、これまで数々の記録を打ち立ててきたレジェンドジョッキー。2018年9月29日には、中央競馬史上初のJRA通算4000勝も達成している。

 しかし、この偉業も騎手免許制度が異なれば、まだ達成されていなかったのかもしれない。

 日本国籍を持たない騎手に対する免許制度として1994年より短期騎手免許制度が設けられているが、短期免許では騎乗期間が年間で最大3カ月間に限られる。

 これに対し、外国人騎手からは通年免許発行が以前から要望されていた。JRAでは2014年度の騎手免許試験より外国人騎手に対する通年免許の発行を許可。これまで、M.デムーロ、C.ルメール、D.バルジュー、J.モレイラと通年免許を求めて受験したが、2015年にルメール騎手とデムーロ騎手の2人が合格したのみ。狭き門とはなっているが、2人の活躍は中央競馬に大きな影響を及ぼしている。

 ルメール騎手といえば、いまやJRAのリーディングジョッキーで、今年も既に年間200勝を達成。『サンスポZBAT!競馬』では、かつて日本競馬を席巻したレジェンド、O.ペリエ騎手との対談を行っている。

 ルメール騎手が「ペリエさんは日本が大好きで、昔はいつも『日本で引退レースを乗りたい。試験で免許を取るチャンスがあれば』と言っていましたよね」と問いかけると、ペリエ騎手は「20年前には外国人が通年で騎乗することは考えられなかったけど、(もし通年免許があれば)僕も間違いなく日本語を勉強して受験していたと思うね。そうしたら、ユタカ(武豊騎手=20日現在4243勝)もまだ4000勝していないかもしれないね」と答えている。

 ピーク時の2003年には、1月後半から2月後半、10月後半から12月後半と3カ月で55勝を挙げたペリエ騎手。1年間騎乗していれば、4倍の220勝ほどしていた可能性もある。

「確かに、ペリエ騎手は勝ちまくっていた印象がありますね。当時は外国人騎手への通年免許がありませんでしたが、来日当初から通年免許で騎乗していれば武豊騎手の4000勝はまだ達成されていなかったかもしれません。

現在、外国人騎手で通年免許を取得しているのはルメール騎手、デムーロ騎手の2人だけですが、今後さらにライバルが増えるようだと武豊騎手の5000勝達成に影響が及ぶのは間違いないと思いますよ」(競馬記者)

 1994年にヤングジョッキーズワールドチャンピオンシップで初来日を果たしたペリエ騎手。2008年まで本格的に日本で騎乗していたわけだが、その15年間で379勝している。短期免許だけでこの数字なのだから、通年なら単純計算で1500勝ほど。武豊騎手の偉業達成も先延ばしになっていたはずだ。

 武豊騎手は20日現在で4243勝を挙げており、近2年は年間100勝以上のペースで勝ち星を積み重ねている。このまま大きなトラブルもなく順調なら、2030年までには前人未踏の「5000勝」に到達する計算だが、それまでには海外からの思わぬ「刺客」が現れているかもしれない。

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