
JRAホープフルS(G1)幻の3冠馬アグネスタキオンが実力を見せつけた「伝説級」の名勝負
26日(土)ホープフルSが開催される。G1へ昇格したのが2017年で、まだ3年しか経っていないが、一昨年は皐月賞を勝ったサートゥルナーリアが、昨年は今年無敗の3冠を達成したコントレイルが勝つなど、クラシックに直結する出世レースと言える。
このレース自体はそれなりに歴史があり、現行条件になったのが1991年のこと。当時はラジオたんぱ杯3歳Sという名称のG3重賞だった。しかし、この条件になってから後にG1を賑わす名馬を送り出している。
92年は皐月賞馬ナリタタイシン、94年はダービー馬タヤスツヨシ、96年は天皇賞馬メジロブライト、98年はダービー馬アドマイヤベガが勝利するなど、以前から出世レースの色合いの濃いレースだったわけだ。
そして2000年。
1頭の2歳馬がこのレースに挑み、鮮烈な勝利を飾った。その馬の名前はアグネスタキオン。
母は桜花賞馬アグネスフローラ、父サンデーサイレンス。全兄にこの年のダービーを制し、河内洋騎手(現調教師)にダービー初勝利をプレゼントしたアグネスフライトがいる良血中の良血馬。
実は社台ファームで育成されている段階から、兄のアグネスフライトより評価が高く、期待がかけられていた。もっともデビュー自体は遅く、2歳の12月。このとき、ダービー馬の全弟という血統で注目されたものの、調教の動きが悪く3番人気と評価を落としていた。
しかし、蓋を開けてみれば、新馬戦にもかかわらず上がり3ハロン33.8秒という破格の切れ味を見せ、後続を3馬身半ちぎって圧勝。この勢いを駆って中2週でラジオたんぱ杯3歳Sに挑むこととなる。
実は伝説級のメンバーがそろった本レース。今となっては知る人ぞ知る、という話になってしまうが、1番人気はクロフネ。2番人気にアグネスタキオンが続き、3番人気にジャングルポケットが推されていた。
後のNHKマイルC馬とダービー馬、皐月賞馬が顔を揃えた最初で最後のレースだったのだ。
レースはアグネスタキオンが中団より後ろに位置し、クロフネとジャングルポケットが前目のほぼ同じ位置取りで牽制し合う格好になる。4コーナーでクロフネとアグネスタキオンが動いて先頭に取り付くと、後ろからジャングルポケットが直線で追い込みを図る。
直線ではこの3頭の叩き合いかと思われたが、アグネスタキオンがクロフネとジャングルポケットをあっさり突き放し、ゴール。終わってみれば2着のジャングルポケットに2馬身半、3着のクロフネにはさらに1馬身1/4差をつける圧勝劇となった。
PICK UP
Ranking
11:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客