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JRA「9番人気」で初体験が覚醒のきっかけ!? 有馬記念(G1)ワンツーフィニッシュ松山弘平、北村友一のブレイクに「意外」な共通点
今年の有馬記念(G1)も終了し、中央競馬の開催は来年1月5日の東西金杯まで待つことになる。女傑アーモンドアイの9冠達成や3歳で牡牝の三冠馬が同年度に誕生するなど、数々のドラマが繰り広げられた1年だった。
多くの名馬の誕生とともに、勝利へ導いたパートナーの存在もまた、名コンビとして今後の活躍に大きな期待が懸かる。
JRA重賞で最多17勝を挙げたのは、アーモンドアイやグランアレグリアでG1を席巻したC.ルメール騎手だ。これに続いてコントレイルの三冠をはじめ、夏競馬でも存在感を見せた福永騎手が11勝。G1年間未勝利の危機から朝日杯(G1)のグレナディアガーズ、ホープフルS(G1)のダノンザキッドと一気に連勝で大逆転を決めた川田将雅騎手が、10勝で3位に入った。
いずれ劣らぬ名手たちが揃ったが、最も印象的だったのはこれに次ぐ4位に食い込んだ松山弘平騎手だろう。直近3年の勝利数でも61勝→84勝→91勝と、着実に勝ち星を伸ばしていたが、今年はついに大台の100勝を大きく超える127勝をマークした。
なんといっても驚くべきは重賞の勝利数だ。2009年にデビューした松山騎手だが、これまで年間重賞2勝はあったものの、9勝は勿論初めてのこと。春競馬ではルメール騎手をも凌ぐ勢いで勝利を重ねた。
史上初の牝馬による無敗三冠を達成したデアリングタクトとの出会いがあったとはいえ、9勝のうちの3勝に過ぎない。それ以外でも6勝を挙げたのは松山騎手の手腕によって導かれたといっても過言ではない。
絶好調騎手の本領発揮となったのが有馬記念。松山騎手がコンビを組んだサラキアは、16頭立ての11番人気という人気薄だった。3コーナー手前から1番人気のクロノジェネシスが動く展開となり、各馬のポジション取りが激しくなる中で脚を溜めた。
松山騎手は、レース後に「勝ち馬を見て、しっかり脚をためられました。2周目でペースが上がったけど、位置を上げると、しまいが甘くなると思って我慢しました」とコメントしている。あえて動かなかったことが、最後の直線で末脚を爆発させる原動力にも繋がったといえる。
かといってこれは決して消極的な乗り方というわけでもない。レース全体の流れを冷静に見られたことも、これまで培ってきた経験の賜物ではないだろうか。
これに対し、早めにマクっていく積極策で勝利を掴んだのが、クロノジェネシスを操った北村友一騎手。今年の前半はまさかの「54連敗」を喫するほどの大スランプに陥り、レシステンシアやダイアトニックなどの有力馬が、他の騎手へと乗り替わる不運にも見舞われた。
しかし、そんなときでも北村友騎手の心の拠り所となったのが、デビューから誰にも手綱を譲ったことがないクロノジェネシスの存在だったに違いない。宝塚記念(G1)で今年初G1勝利を手に入れ、有馬記念も制して春秋グランプリ制覇をプレゼントしてくれた。
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