
JRAハーツクライ産駒にまさかの「早熟」説!? 絶好調“当たり年”もサリオス頼み…… リスグラシュー、ジャスタウェイが成功した違い
2019年にディープインパクト、キングカメハメハという種牡馬の横綱格2頭が急逝し、その血の希少価値がさらに高まったハーツクライ。しかし、同馬も現在19歳という高齢でもあり、残された種牡馬生活は決して長くないだろう。
ハーツクライといえば、当時無敵を誇ったディープインパクトが国内で唯一、敗戦を喫した2005年有馬記念(G1)の勝ち馬としても有名だ。3歳クラシックではキングカメハメハやダイワメジャーの陰に隠れていたが、古馬になってから急成長。有馬記念でG1初勝利を飾ると、次走のドバイシーマクラシックでG1連勝を決めた。続いて挑戦したキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)でもハリケーンランやエレクトロキューショニスト相手に3着と善戦し、引退後は種牡馬となった。
代表産駒であるジャスタウェイ、シュヴァルグラン、スワーヴリチャードには、後継種牡馬として父の血を残していくことが期待されている。
そんなハーツクライ産駒だが、とりわけ大きな期待をされていたのが今年のクラシック戦線だ。昨年の2歳重賞では勝ち馬を多数輩出する豪華ラインアップとなっていた。新潟2歳S(G3)をウーマンズハート、サウジアラビアRC(G3)をサリオス、京都2歳S(G3)をマイラプソディが勝利と快進撃が続いた。サリオスは朝日杯FSも制してG1勝利を飾っている。さらには重賞勝ちこそないが、堅実な好走を見せるクラヴァシュドールの存在もあった。
しかし、年を越していざクラシック戦線を迎えると、前年の活躍が嘘だったかのように多くの産駒が不振に陥った。サリオス同様に大将格と見られていたマイラプソディが、共同通信杯(G3)で凡走、ウーマンズハートやクラヴァシュドールもクラシックで3着にすら入れない有様だった。
そんな中で唯一気を吐いたのがサリオスだったが、無敗の三冠馬となったコントレイルが同世代にいたことは最大の不運といえるだろう。最終的に翌年も重賞勝ちを挙げることに成功したのは、秋の毎日王冠(G2)を勝利したサリオスのみ。晩成タイプのイメージが強いハーツクライの産駒としては真逆にも映る早熟な結果となってしまった。
「父が晩成型だったからといって、産駒は母の影響も色濃く出るため、必ずしも同じ成長曲線を辿る訳でもありません。これは今に始まったことではなく、それぞれの馬で個性も変わって来るでしょう。
ただ、その最たる成功といえるリスグラシュー、ジャスタウェイに共通していえそうなことは、勝ち切れないまでも成長が続いていたことです。どちらも善戦しても勝利まであと一歩という馬でしたから……」(競馬記者)
そういう意味では、既に大敗も珍しくなくなってしまった他馬に比して、安定感のある成績を残しているサリオスにはまだまだ希望は残されていそうな雰囲気はある。
心強いのは姉のサラキアが引退レースとなった有馬記念で2着に入ったことだ。同馬はディープインパクト産駒ではあるが、5歳秋まで重賞勝ちさえなかった馬が府中牝馬S(G2)で初重賞勝ちを挙げるとエリザベス女王杯、有馬記念とG1を連続で好走している。
同じ母の仔であるサリオスにとっても、来年以降に姉と同様に急成長を見せる可能性は十分に考えられるだろう。既に高いポテンシャルを見せている馬だけに、父母の「晩成の血」が騒げば、コントレイル打倒もあながち夢ではなくなるかもしれない。
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