
JRA武豊アドマイヤビルゴ日経新春杯(G2)惨敗も、これが実力!? 三連単96万馬券に透けて見えた“過剰人気”のカラクリとは、
17日、中京競馬場では古馬の中距離ハンデ戦・日経新春杯(G2)が開催された。
優勝したのは格上挑戦ながら、54キロの軽ハンデを活かした7番人気のショウリュウイクゾ。2着に13番人気のミスマンマミーア、そして3着には4番人気クラージュゲリエが入り、3連単は96万1790円の高配当となった。
一方、1番人気に支持された武豊騎手のアドマイヤビルゴ(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)は、好位3番手のインで脚を溜めたが、直線伸びを欠き、まさかの10着に敗れた。“6億円ホース”としてデビュー前から話題を振りまいてきたアドマイヤビルゴ。期待された一方で今回の惨敗には「やっぱりね……」という声も少なくない。
「昨秋にムーンライトH(3勝クラス)とアンドロメダS(L)を連勝し、武騎手とのコンビでは4戦4勝。『いずれG1を獲る』とまで言われてきた逸材です。ポテンシャルの高さは間違いない馬なのですが、今回は過剰人気だったともいえそうです」(競馬誌ライター)
デビューから1度しか負けていないアドマイヤビルゴが過剰人気だったとはどういうことか。
「優勝したショウリュウイクゾとアドマイヤビルゴは昨年9月のムーンライトHで対戦して、その時はアドマイヤビルゴが1.1/4馬身の差をつけて完勝しました。ただ、そのレースではアドマイヤビルゴの方が56キロのショウリュウイクゾに対し、2キロ軽い斤量を背負っていました。ところが、今回は56キロのアドマイヤビルゴとは逆にショウリュウイクゾが53キロ。ショウリュウイクゾが一気に5キロもらう形になったことで、当然逆転は考えられました」(同)
さらに3着に食い込んだクラージュゲリエもアンドロメダSでアドマイヤビルゴと対戦している。その時はアドマイヤビルゴがクビ差で辛うじて勝利を収めたが、斤量はクラージュゲリエの56キロに対し、アドマイヤビルゴは54キロ。ところが今回は同じ56キロにハンデが設定された。クラージュゲリエにも逆転の目はあったというわけだ。
3頭の単勝オッズを改めて比較してみると、単勝2.8倍のアドマイヤビルゴに対し、クラージュゲリエは7.6倍、ショウリュウイクゾにいたっては19.6倍という人気の差が開いた。斤量と着差に着目すれば、馬券に絡んだ2頭が逆転したことも不思議ではない。
では、なぜアドマイヤビルゴは惨敗してしまったのか。レース後、騎乗した武騎手は「馬の雰囲気は良く感じました。ポジションも良いところを取れました。直線に向いたら一気に(手応えが)なくなりました。この一戦では何とも言えません」とコメントを残したが、前出のライターによると敗因は2つあったという。
「1つ目の敗因は、小柄なアドマイヤビルゴにとって、やはり56キロという斤量が堪えたのでしょう。この日の馬体重はこれまでで最も低い428キロでした。やはり、今後重賞クラスで戦っていくには、もう少し馬格は必要でしょうね。
もう一つの敗因は中京の馬場にあったと思います。結果的に上位馬は外を伸びてきました。一方、内を通った馬は道中でかなりスタミナをロスしたのでしょう。また、アドマイヤビルゴにとっては理想とは正反対の荒れて重い馬場だったのが大きな痛手になりましたね」(同)
かといってこの敗戦のみで評価を下げる必要は全くないだろう。斤量の違いがあったとはいえ、優勝したショウリュウイクゾと3着のクラージュゲリエを過去に破っていたのは紛れもない事実。この2頭が結果を出したことが皮肉にもアドマイヤビルゴの実力を証明する形となったともいえる。
惨敗してもなお、その実力を示したアドマイヤビルゴ。次走の舞台が軽い馬場なら巻き返してくれるだろう。
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