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JRA武豊全盛期を象徴する「史上最強馬」が旅立つ。 無念の天皇賞除外から上り詰めた頂点…… ソダシに受け継がれた芦毛の怪物のバトン

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JRA武豊全盛期を象徴する「史上最強馬」が旅立つ。 無念の天皇賞除外から上り詰めた頂点…… ソダシに受け継がれた芦毛の怪物のバトンの画像1

 また1頭、時代を彩った名馬が天に召された。

 JRAの発表によると、クロフネ(牡23歳)が17日、老衰のため繋養先の社台スタリオンステーションで亡くなったことが分かった。

 クロフネは2001年のNHKマイルC(G1)とジャパンCダート(G1・チャンピオンズCの前身)を制し、同年度のJRA賞最優秀ダートホースを受賞。天才・武豊騎手と関西の名伯楽・松田国英調教師のコンビで一世を風靡し、競馬ファンの誰もが世界を意識した名馬でもあった。

 また、クロフネの活躍した01世代は幻の三冠馬といわれたアグネスタキオンをはじめ、ジャングルポケット、マンハッタンカフェなど引退後に種牡馬としても超一流の成績を残した名馬も多く、ファンの中でも根強い人気を誇っている。

 米国産まれの外国産馬クロフネは、ディープインパクトで知られるあの金子真人オーナーによって芦毛馬に黒船という一風変わった馬名が与えられた。当時はまだ外国産馬のクラシック出走が叶わなかった時代。01年から開放されることが決まっていたため、馬名には、初年度のダービーを勝って欲しいというオーナーの願いが込められている。

 後に芝ダート両G1制覇を成し遂げたクロフネだが、陣営もダービーを目標としていたように芝路線を歩んだ。デビュー戦こそ2着と取りこぼしたものの、その後の2戦をいずれもレコード勝ち。初の重賞挑戦となったラジオたんぱ杯3歳S(G3・G1に昇格したホープフルSの前身)で単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持された。

 だが、不運にもこのレースにはアグネスタキオン、ジャングルポケットという強力なライバルも出走しており、クロフネは2頭の後塵を拝する3着に敗れる。大目標であるダービーに向けて順風満帆に思われた陣営にとって初めての挫折だったといえるだろう。

 天敵不在のNHKマイルCを制して迎えた大一番だったが、またしてもジャングルポケットが立ちはだかった。ダービーでライバルを倒すどころか他の馬にも先着を許す5着に完敗。秋の復帰戦となった神戸新聞杯(G2)でもエアエミネムの3着に敗れ、出走を予定していた秋の天皇賞制覇にも暗雲が漂い始めた。

 そして不穏な空気は現実のものとなる。当時の天皇賞は外国産馬の出走枠が2頭に制限されており、獲得賞金額でクロフネを上回るメイショウドトウとアグネスデジタルの出走で参戦が叶わなくなってしまったのだ。

 さらにアグネスデジタル陣営が直前になって急遽出走を決めたため、クロフネの参戦を期待していた一部のファンからアグネスデジタル陣営に非難の声も上げられた。皮肉なことに出走を阻んだ格好となったアグネスデジタルが本番でテイエムオペラオーを破る大金星をあげた。

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