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JRA武豊全盛期を象徴する「史上最強馬」が旅立つ。 無念の天皇賞除外から上り詰めた頂点…… ソダシに受け継がれた芦毛の怪物のバトン

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 その一方で、想定外の”この事件”がクロフネ陣営の新たな岐路ともなった。翌年のフェブラリーS(G1)も候補に挙がっていたことから、これを機会にダートの武蔵野S(G3)に出走することになったのである。

 新天地となったダートの舞台でクロフネはかつての輝きを取り戻した。最後の直線を2番手から楽に抜け出すと、後続との差をみるみる広げて9馬身差の大楽勝。1分33秒3の勝ち時計は芝のレースと遜色ないほどのスーパーレコードだった。

 衝撃はこれだけにとどまらない。ダート2戦目のジャパンCダートでも米国の一流馬リドパレス、前年の覇者ウイングアローなどを相手に7馬身差の独走劇を披露した。

 いよいよ世界へ挑戦か……。

 翌年にドバイワールドカップを目標とすることが決定していたクロフネだったが、その後は右前脚に屈腱炎を発症していることが判明。陣営からは競走登録の抹消と種牡馬入りが発表された。

 02年に種牡馬としてデビューしたクロフネは、”第2の馬生”でも超一流といえる活躍を見せる。スプリントG1で2勝を挙げたカレンチャンなど8頭のG1馬を世に送り出し、昨年一杯で種牡馬を引退したばかりのタイミングで、あまりにも早過ぎる訃報となってしまった。

 競馬関係者やファンの間で今なお史上最強ダート馬の呼び声の高いクロフネ。晩年に登場した白毛初のG1馬ソダシにも偉大な父の血が脈々と受け継がれている。

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