
JRAキャロットファーム「今年8勝」で凋落の危機……サンデー、シルクレーシング好調の影でクリソベリル故障、サートゥルナーリアなど有力馬の引退相次ぐ
14日、阪神競馬場で行われる京都記念(G2)に出走を予定していたセンテリュオは、同レースを回避。レースを待たずして引退することが、キャロットクラブの公式ホームページにて明らかになった。
京都記念に向けて乗り込まれていたセンテリュオだが、10日の最終追い切りで状態に違和感があったとのこと。クラブと高野友和調教師で協議された結果、競走馬登録を抹消に至ったという。
キャロットファーム所属馬では、9日に豪州のコーフィールドC(G1)の勝ち馬メールドグラースの引退が発表されたばかり。有力馬のリタイアが続いている状態だ。
昨年はG1で1番人気となることが4回あったが、その全てで勝利ならず。レシステンシアが桜花賞(G1)、NHKマイルC(G1)でともに2着惜敗すると、サートゥルナーリアの宝塚記念(G1)、クリソベリルのチャンピオンズC(G1)でも4着に敗れている。その他のG1でも勝利することができなかったキャロットファームは2012年以来、8年ぶりの「JRA・G1未勝利」を喫することになった。
「昨年、不調だったキャロットファームですが、今年に入っても未だ8勝止まりと不振に喘いでいます。オーナーリーディングでは5位と一見それほど悪くないように感じますが、2010年以降の年間リーディングは常にベスト3をキープ。この数字は物足りないといえるでしょう。
昨年は118勝と一昨年の126勝を下回りましたが、その昨年でさえ1月は10勝。今年は5勝と半分しか勝てておらず、いまのペースでは昨年をさらに下回る可能性もありそうです」(競馬記者)
確かに、キャロットファームと同じノーザンファーム生産馬が主体のサンデーレーシングは現在15勝、シルクレーシングも13勝を挙げており、大きく差を広げられている。1月のペースで推移すると、年間で60勝止まりだ。
2月は1週目で3勝を挙げているが、先述したサートゥルナーリアはすでに引退し、クリソベリルも右後肢繋ぎの輪状靭帯を傷め手術を行ったところ。レシステンシアも一昨年の阪神JF(G1)以降、勝利から遠ざかったままと先行きが明るいとは言えない。
しかし、今年の3歳クラシック戦線では希望もあると記者は続ける。
「今年の3歳世代が好調でクラシックに繋がるホープフルS(2歳・G1)では、オーソクレース(2着)とシュヴァリエローズ(5着)がともに掲示板を確保しました。今週は期待の有力馬が土日の重賞で3頭出走しますし、結果次第ではクラシック戦線での活躍も見られるかもしれませんよ」(同)
土曜日に行われるクイーンC(G3)には、C.ルメール騎手を鞍上にククナが出走。日曜日に行われる共同通信杯(G3)にも、ディオスバリエンテとエフフォーリアが出走するが、『netkeiba.com』の予想オッズでは3頭ともに上位人気が予想される。
過去、キャロットファームはJRAのG1を25勝しているが、内11勝を挙げたのは3歳馬。年齢別の賞金シェアを見ても49%と、その半分近くを3歳馬が稼ぎ出している。
今週は重賞競走に一挙3頭が出走を予定。キャロットファームにとっては、今年を占う勝負の週となりそうだ。
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