
JRA チューリップ賞(G2)16年ぶりに阪神JF(G1)1~3着馬不在……春のトライアルレースに起きている「変化」とは
3月6日、阪神競馬場では桜花賞への最重要ステップレース、第28回チューリップ賞(G2)が行われる。
前年の2歳女王が始動戦に選ぶことも多い同レース、昨年はレシステンシアがここから始動し、本番の桜花賞で(G1)は2着。過去にはブエナビスタやアパパネ、ラッキーライラック、テイエムオーシャンといった名牝たちが、ここをステップに桜花賞で優勝または連対を果たしている。
今年は阪神ジュベナイルF(G1)優勝馬であるソダシが、早々と桜花賞への直行を表明。また、同レース2着馬のサトノレイナスも桜花賞への直行を予定していることを、管理する国枝栄調教師が明らかにした。3着馬ユーバーレーベンはチューリップ賞を予定していたが、21日にせん痛を発症し、始動戦をフラワーC(G3)へと切り替えている。
チューリップ賞に前年の阪神JFの1~3着馬が揃って不在となると、2005年以来、実に16年ぶりのこととなる。
現在、出走を予定している馬のなかで人気を集めそうなのは、武豊騎手が騎乗を予定しているメイケイエールだが、マイル戦では折り合い面やスタミナ面が不安視されている。もう1頭の人気を集めそうな馬、川田将雅騎手が騎乗を予定しているエリザベスタワーは、前走エルフィンSで9着と惨敗しており、そもそもの実力に疑問の声も多い。
ウオッカとダイワスカーレットのマッチレースや、ビワハイジを5馬身ちぎったエアグルーヴの走りなど、後々語り継がれるようなレースも多いチューリップ賞であるが、今年は例年に比べてやや低調なメンバーでもあり、盛り上がりに欠ける部分がありそうなことも、現時点では否めないだろう。
「近年、アーモンドアイとグランアレグリアが桜花賞を、またコントレイルとサートゥルナーリアは皐月賞を、それぞれトライアルレースをパスした直行で制しています。外部のトレーニング施設、いわゆる『外厩』で馬を仕上げ、ステップレースを使わずに本番へ直行しても結果を残せる技術が確立されてきたので、今後ますますトライアルレースに出走する有力馬は減っていくかもしれません。
また、最近はトライアルといえども本番に近いレベルの速い時計で決着することもあり、消耗や故障を避けるといった意味でも直行が選ばれるのかもしれませんね。いずれにしろ、桜花賞と皐月賞に関しては、今後は直行が主流となっていきそうです」(競馬記者)
以前は春のトライアルレース、特にチューリップ賞や弥生賞が行われる頃になれば、有力馬たちが続々と始動し、心躍ったものである。時代や社会が変化していくとともに、競馬の世界も確実に変化しているということなのかもしれない。
PICK UP
Ranking
11:30更新「最強マイラー」に降りかかった予想外の火の粉…「名義貸し」の発覚したオーナーは馬主資格をはく奪、不運の名馬トロットサンダー【競馬クロニクル 第41回】
JRA宝塚記念(G1)横山典弘「息子愛」でタイトルホルダー救った!? 好アシストに陣営からも感謝の声、横山和生が「最大のピンチ」を脱した裏側
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- JRA今村聖奈「大ブレイク」の陰で悲痛な叫び。「何のために騎手になったのか」乗鞍激減、レース開催日に”お留守番”続出
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRAイチの「豪快王」小島太列伝。愛人、酒席トラブルあっても名騎手、名調教師の生き様に曇りなし
関連記事
JRA「目標はダービー」武豊ディープモンスターに池江泰寿軍団の法則!? 待望の「季節」到来に今週も大攻勢!
JRA必ず当たる馬券「全通り」買いを検証……藤沢和雄「30馬身超」大敗からの大逆襲!M.デムーロは「何故」ランドオブリバティの依頼を【週末GJ人気記事総まとめ】
JRA武豊「生きた心地がしませんでした」松田国英VS角居勝彦! 名伯楽2人の引退で蘇る「師弟対決」の記憶
JRA阪急杯(G3)レシステンシアに襲い掛かる「早熟説」……2016年“最強世代”2頭も陥った“運命”とは
JRA蛯名正義「まさか勝つとは」有馬記念史に残る中山マイスターの記憶! 最強牝馬を退けた”お祭り男”の誕生…… 中山記念(G2)でラストサプライズを起こせるか