「鮮烈な一刀両断」か「圧倒的な暴力」かーー皐月賞で最強・ディープインパクト「後継者争い」の火蓋が切られる
「日本競馬史上最強」との評価をそこかしこで得る馬、ディープインパクト。無敗の三冠馬にして中央G1競走7勝は史上最多タイ。その戦績を見れば好みの問題はあれ、強さを否定する者はいないのではないか。
ディープインパクトは現在でも日本競馬の中心であり続けている。種牡馬としても4年連続でJRA・全国リーディングサイアーを獲得(2015年のJRA獲得賞金は69億701万5000円)。G1・重賞馬も当然ながら多数輩出している日本のトップ種牡馬だ。
だが、2013年にダービーを制し凱旋門賞でも4着と好走したキズナ、前年に同じくダービー制覇のディープブリランテ、マイルCS制覇のトーセンラーに天皇賞馬スピルバーグ……どれもかなりの強さを有しているのは理解できるのだが、もろさもあるからか「あのディープの仔」と考えてしまうとなんとなく物足りなく感じられてしまう。現状、父と同じ中央G1競走7勝を達成した牝馬・ジェンティルドンナが一番の実績馬であることは間違いない。父が偉大すぎるがゆえに「後継者」つまりは「後継種牡馬」に足る力があると思わせる産駒がいなかった。ステイゴールドが作り出したオルフェーヴルや、キングカメハメハの息子ロードカナロア、ドゥラメンテのような圧倒的な「何か」に欠けていたように思える。
しかし今年、ついにそのディープインパクトの「後継」となれそうなスケールと実績を引っさげて皐月賞(G1)に臨む息子がいる。しかも2頭一気にだ。
1頭目は、父とまったく同じ道(新馬→若駒S→弥生賞)で勝利を重ねて3戦3勝、ディープインパクトが歩んだ”覇道”を今一度極めんとするマカヒキである。
このマカヒキ、見た目やその走りが「父と瓜二つ」であることがよく語られる。茶色の馬体に黒いたてがみという外見ももちろんだが、何より似てるのはその「キレ味」だ。前走弥生賞で、同世代最強クラスの2頭であるリオンディーズとエアスピネルを最後の直線で一気に交わしたあのスピード……。まさにディープゆずりの「一刀両断」と呼ぶに相応しい、鮮烈な末脚だった。
ディープインパクトと同じ道を歩む息子――競馬ファンはこういった物語にロマンを感じるものであり、相当な支持を集めることは間違いない。超ハイレベル戦となる今年の皐月賞を制することで、「ディープインパクトの後継者」としての道は一気に開かれることとなるだろう。
そんなマカヒキの、もしかしたら最大のライバルになるかもしれない1頭が、「もう一人の後継者候補」、サトノダイヤモンドである。
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